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何がいいの?国際バカロレアのメリットとデメリット

国際バカロレアが目指す教育とは? 国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、学校や国、国際機関などと協力し、「多様な文化への理解、尊重の精神を重んじ、平和な世界構築に貢献できる探究心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」ことを目的としている。 教育プログラムは、「プライマリー・イヤーズ・プログラム(以下PYP)」「ミドル・イヤーズ・プログラム(…


国際バカロレアが目指す教育とは?

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、学校や国、国際機関などと協力し、「多様な文化への理解、尊重の精神を重んじ、平和な世界構築に貢献できる探究心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」ことを目的としている。

教育プログラムは、「プライマリー・イヤーズ・プログラム(以下PYP)」「ミドル・イヤーズ・プログラム(以下MYP)」「ディプロマ・プログラム(以下DP)」「キャリア関連プログラム」の4つに分かれている。どのプログラムにも共通するのは、「国際的な視野を持つ人格を育成する」という理念である。

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人間形成における国際バカロレアの価値

3才から12才を対象としたPYPでは、どの教科でも「自分たちが生きている場所・時代を意識させ、世界の仕組みと地球を共有するとはどういう事か」を考えさせる「横断的なテーマ」が存在している。

11才から16才を対象としたMYPでは、個々の教科を孤立的に捉えず、教科内容と実社会を関連付ける取組みがなされている。
どちらのプログラムも、従来の日本の教育とは一味違う「グローバルな人間形成」を深く意識した価値あるプログラムと言えよう。


海外進学における国際バカロレアの価値

16才から19才を対象としたDPになると、2年間の所定カリキュラムを履修した後に、最終試験が用意されている。この試験で所定の成績を収めると、国際的な大学入試資格である「国際バカロレア資格」が取得可能になる。

「国際バカロレア資格」を取得するメリットは、何と言っても世界100ヶ国以上、20,000校以上の大学の入学資格・受験資格が付与されることで、海外の大学進学に対して有利になるという点だろう。また、カリキュラムの上級レベルで一定以上の水準を満たした資格者には、大学での履修科目の免除が認められ、国際バカロレアの科目がそのまま卒業単位とみなされる場合もある。さらに、世界ランキング上位の大学において、資格取得者の入学者比率が上昇しているという実例が報告されており、後の就職にも有利と言われているのだ。


国際バカロレア認定校となっている日本の学校は?

日本で国際バカロレアの認定校となっているのは39校だ。(2016年8月現在)

この内、一条校(日本の学校教育制度の要件を満たしている学校)は15校で、その他はインターナショナル・スクールで占められている。インターナショナル・スクールは、日本の教育制度上の学校とみなされないケースもあるなど、一般の学生には向かない場合がある。また、一条校においても通常の授業料とは別に国際バカロレアコース専用の授業料が必要になる場合もあり、費用面での負担も大きい。さらには、国際バカロレアに対応した教師数が少ない、認定校になったばかりで実績が少ないなど、現状は多くの課題に悩まされていることは事実である。


日本の大学はDPをどう見ているか?

現在、国際バカロレア資格保有者の入学に対応している大学は33大学存在する。(2016年11月現在)

入学時期のズレの解消、大学の制度の見直し、さらには教授陣のグローバル化も必要だ。昨今取り組まれている「大学側のグローバル化」だが、より迅速に課題の改善を図らねば、日本の大学の世界ランキングは、ますます下がり続けてしまうことだろう。


グローバル化への日本の対応

国により、日本再興戦略として打ち出された「2018年までに国際バカロレア認定校を200校にする」という目標は、はたして達成できるのだろうか?

目標を打ち出すだけではなく、制度上の見直し、専門教師の育成、費用の助成など、国をあげて実行していかなければ「絵に描いた餅」になりかねない。少子化、大学国際ランキングの低下になんとか歯止めをかけ、いつまでも若者が未来に希望を持てる日本を期待している。