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家庭でできる”教育改革“ 子供の将来、学校まかせで大丈夫?

1.日本の子供たちはかしこい、でも・・・ (出典:PhotoAC  https://www.photo-ac.com/)   2017年3月、新学習指導要領が発表され、2020年に向けてプログラミング教育の必修化や、大学受験改革など大きな教育改革が実施されることがニュースでも話題になっています。でもなぜ、いま、大規模な教育改革が必要なのでしょうか? 日本の教育水準は高い。それは間違いな…
丸山絢子

丸山絢子

2017.11.27

1.日本の子供たちはかしこい、でも・・・


(出典:PhotoAC  https://www.photo-ac.com/

 

2017年3月、新学習指導要領が発表され、2020年に向けてプログラミング教育の必修化や、大学受験改革など大きな教育改革が実施されることがニュースでも話題になっています。でもなぜ、いま、大規模な教育改革が必要なのでしょうか?

日本の教育水準は高い。それは間違いなく事実です。
下の表は2015年に実施され、文部科学省のHPで公開されているPISA国際学習到達度調査の結果です。
72か国の15歳の子供たちに対して調査を行っています。結果を見ると、日本の子供たちの学力がかなり高水準であることが分かります。


(出典:文部科学省HP)

 

一方で、同じPISA2015の結果で、日本の教育について危機感を抱くような結果も出ています。

下のグラフはコンピュータを使って宿題をするか?という設問の回答をまとめたものです。日本は、「全く使わない」または「月に1,2回」が93%を占めてダントツの最下位となっています。その他のコンピュータ関連の設問でも日本がかなり他国に比較して後れを取っていることが分かります。

(出典:徳島文理大学りん研究室RでPISA2015グラフ
http://www.con3.com/rinlab/?p=1756

 

海外では低年齢からタブレットやパソコンを使い、宿題をパソコンで提出するということもあたり前になってきています。
日本の学校では、各学校にパソコン教室がひと部屋用意されているという程度の普及率。1クラス分のパソコンがあればよいほうで、2,3人のグループで1台ということも稀ではありません。

一般の会社や公務員でも、パソコンやネットを活用して仕事をするのはあたりまえのこと。詳しい原因は分かりませんが、日本では、最先端であるべき教育の場だけが時代遅れのまま取り残されてしまっているのです。

この事実に警鐘を鳴らす人たちもたくさんいました。
そして、2017年3月に明治維新以来といわれる教育大改革の指針になる「新学習指導要領」が発表されたのです。

新学習指導要領に則し、2020年を目標にプログラミング教育の必修化が検討されています。しかしそれ以前に、すべての学校のICT環境を整える必要があります。
現在、各学校に20台,30台のパソコンしかない状況で、すべての生徒に一台のパソコンを与え、安全なネット環境を整える、そんなことができるのでしょうか。


(出典:文部科学省HP)

 

ここで、お父さん、お母さんに考えてほしいことがあります。

「子供の将来がかかった教育改革。学校まかせで本当にいいのでしょうか?」

今や一般家庭のほうが、学校より何倍もICT教育に適した環境が整っています。
子供の未来ために、親が教育者となって、ご家庭で教育改革を進めてみてはいかがでしょうか。

 

2.プログラミングで始める教育改革

私は「ひらめきボックスcoporii」というプログラミング教材とおもちゃを扱うオンラインショップを運営しています。
プログラミングトイの体験会を開催したり、教育関係者やプログラミング教室の先生とお話をする機会を通じ、テクノロジー関連の能力は子供の年齢に関係がないということを強く感じています。
一般的に、国語や算数の教室は、学年できれいに進度を分けることができますが、プログラミングは初級、中級をはっきりと年齢で区切ることが難しいのです。
これは学校などの一斉教育が実施されていないために、家庭での関わりが大きく影響しているためと考えられます。

プログラミングやテクノロジー教育の習熟度に大きく影響を与える要因には以下の3つがあると考えています。

 

1.情報力・・知っている、経験がある
2.好奇心・・好きこそものの上手なれ
3.環境・・ 家庭内でのICT教育

 

3つの要因は、ある程度、子供の周りにいる大人の力でコントロールすることができます。
では、具体的にどのようにコントロールするのか?プログラミング教育をベースに、ひとつずつ見ていきたいと思います。

 
1.情報力
ワークショップなどで積極的な子供からよく聞かれるのが、「これ知ってる」「やったことある」「こんなの簡単!」という言葉です。
子供は自分の知っていること、経験があることに対して、自信を持ち、自信のあることに対して、より積極的に取り組むことができるようになります。

プログラミングを体験する方法としては、家庭での遊びの中にプログラミングトイやアプリを取り入れる、教室、ワークショップなどに参加するという方法があります。また、最近では、テレビ番組、マンガなど、子供が取り組みやすい形でプログラミングの情報が提供されています。
子供に体験の機会や情報を与えることで「プログラミングについて知っている」という自信を持たせてあげることができます。

 
2.好奇心
子供に何かをさせるには、親が楽しんでいる姿をみせることが大切です。

特に小さい子供の場合には、親や兄弟が楽しんでいることを模倣して成長するため、親自身が興味を持って楽しむことは、子供の知的好奇心を育てるにはとても効果的だと考えられます。
プログラミングトイやアプリを利用する際は、子供に与えるだけでなく、親も一緒に楽しめる、という視点で選択をしてみるのはいかがでしょうか?

 
3.環境
「環境」には2つの意味があります。
ひとつは、パソコンやタブレットなどの物理的な環境。こちらは、学校よりもはるかに整っているご家庭がほとんどだと思うので問題ではありません。
もうひとつは、家庭の中で「プログラミング」に触れる機会があるかどうか、ということです。
少し難しく感じるかもしれません。しかし、周りを見てみると、テレビやエアコンなどの電化製品、パソコン、スマホ、街中の自動ドアや信号機など、生活の一部になっているものの多くがコンピュータとプログラミングで動いています。

信号機を例にすると、子供にこんな質問をしてみてはいかがでしょうか。
「ボタンを押すと、どうして信号が青になるのかな?」

エアコンはどうやって温度を調節する?電子レンジは?
身近なものの作りを少し考えてみるだけでも、立派なプログラミング教育になりそうです。

大切なのは親子のコミュニケーション。子供のためにできることから始めてみましょう。

 

3.今日から実践するために

プログラミング教育のよいところは、すぐに実践できるツールが比較的手に入りやすいということです。記事の中でもふれた、テレビ番組やマンガなどを含めていくつかご紹介したいと思います。

 

<テレビ番組>
Why!プログラミング
Eテレ(木曜 9:45-10:00)
Scratchを使ったプログラミング教育番組。
番組サイトにはみんなが作った作品を投稿したり遊んだりできるコミュニティもあります。
http://www.nhk.or.jp/gijutsu/programming/

 

プログラミングコロシアム
BSフジ(土曜 06:55-7:00)、千葉テレビ(土曜 17:55-18:00/(再)日曜 17:55-18:00)
日本初のプログラミングバトル番組、小学生が3人一組のチームで戦います。
http://programming.asia/

<無料のプログラミングアプリ>
Scratch(スクラッチ)
世界150か国で使われているプログラミング学習のためのツール
https://scratch.mit.edu/

 

ScratchJr(スクラッチジュニア)
Scratchを低年齢向けにシンプルにしてタブレットで使えるようにした5歳から使えるプログラミングアプリ
https://www.scratchjr.org/

<プログラミングトイ>
ロボットタートルズ
パソコンもタブレットも使わずにプログラミング学習ができるカードゲーム
4,500円(税込4,860円)
http://www.coporii.com/?pid=121846082

 

CoderMip(コーダーミップ)
アプリで簡単にプログラミングできる。かわいい二輪ロボット
12,000円(税込12,960円)
http://www.coporii.com/?pid=113705644

<絵本、マンガ>
学研まんが入門シリーズ はじめてのプログラミング
http://www.coporii.com/?pid=116845954

 

ルビィのぼうけん こんにちはプログラミング
http://www.coporii.com/?pid=115952053

 

4.さいごに

日本では早くから高いレベルの教育が定着し、その安心感からか社会環境の変化に合わせて柔軟に教育改革をするということが行われてきませんでした。残念ながら日本の子供たちは、世界のICT教育の波に完全に乗り遅れてしまっています。
今、文部科学省や学校では、できるだけ早く子供たちに十分な環境を与えることができるように大変な努力をしています。
しかしながら、学校だけで今すぐに取り組めることには限界がある、という事実も受け止めなければいけません。このような状況を理解した上で、社会や学校を責めるのではなく、子供たちのために、ご家庭で最先端の教育を取り入れる「家庭でできる教育改革」を推進することを提案します。

日本の子供たちがコンピュータ社会から取り残されることのないように、お父さん、お母さんが教育者となって、子供たちと一緒に未来を創っていくこと。それこそが、新しい教育改革を成功させる鍵になるのではないでしょうか。