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G7プログラミングラーニングサミット 鷲﨑博士インタビュー

11月12日に開催された「G7プログラミングラーニングサミット」に、国内外からプログラミング学習ツールや教材を提供している企業や団体が集まった。 今回のイベントの狙いや今後の展望について、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長、G7プログラミングラーニングサミット実行委員会会長、鷲﨑弘宜(わしざき ひろのり)教授にお話しを伺った。 鷲﨑弘…
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11月12日に開催された「G7プログラミングラーニングサミット」に、国内外からプログラミング学習ツールや教材を提供している企業や団体が集まった。

今回のイベントの狙いや今後の展望について、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所所長、G7プログラミングラーニングサミット実行委員会会長、鷲﨑弘宜(わしざき ひろのり)教授にお話しを伺った。
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鷲﨑弘宜(わしざき ひろのり)教授


なぜG7プログラミングラーニングサミットを始めたのか

もちろん背景としては2020年に始まる日本におけるプログラミング教育の必修化です。

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日本も含めて世界も、プログラミングの早い段階からの学習が必要であろうという動きになっています。
これからの世の中は、プログラミングそのものをしないとしても、物事の本質を捉えて世界の仕組みを検討したり、そういった仕組みを再構築できるというスキルと人材がますます必要とされています。

そういった問題意識から、フジテレビキッズ様と一緒に、マインクラフト様や数々の教材を提供している企業様と中心にイベントを初めて来ました。


世界初!プログラミング教材を科学的に検証する試み

そして今日、非常に多くのプログラミングを学習・教育するツール環境が出てまいりました。
我々の調査によると、こういったツールや教材が50以上も存在することがわかりました。

しかし、こういったものをどういう目的で、どういうふうに使い、どういうふうに教え、それをどのように学ぶと、どういった学習やスキルに効果的なのか?これは全く誰もわかってないという事です。

今回はそういった状況を明らかにするために、定性的な調査と定量的な調査の両面を行うことにしました。
まず、有名な6ツールを選定し実験と実践をとおして同じ基準、同じ尺度で測定評価を行います。

大事なメッセージとしてもう1つ、今回の調査は「優劣をつけようというわけではない」という事です。
それぞれの教材やカリキュラムの良さや目指すところなど、一部でも明らかにできるのではないかと考えています。

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調査方法については?

定性的な調査としては、学術的に知られた文献調査方法を活用します。体系だてて調査しておりまして、これは結果が全てまとまりつつあります。

定量的な調査は2つあり、1つ目は自己評価アンケートです。自分自身がプログラミングやコンピュータに対してどのように感じるのか?といった内容を調査します。
2つ目は理解を問うテストを実施します。
子供達には授業の前と後で理解度を問うテスト(といっても非常に簡単で遊びながら答えれるようなもの)を実施します。

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調査結果をどのように活用するのですか?

現時点では2つ考えております。
まずは今回をはじめとした調査を科学的に行い、それを学術的な論文にして学会や適切な場所で公式に発表します。
次には、教育関係者や保護者の方々、社会には「提言」や「ガイド」という形で発表します。
「どのようなツールを、どういった形で実施すると、どうのように効果的なのか?」といったように、少しでも多くの方々にガイドの役割としてお役立ていただきたいです。

そしてさらには今後新たな教育や学習効果の高い教材の開発や、環境整備にも役立てていただきたいです。
実は我々自身もどうなのですが、今のツールや環境で足りてないところが明らかになれば、そこを私たちがきちっと手がけていきたいという思いもあります。

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今後はイベントを地方でも開催

今後の計画としては、年にこういった大規模なイベント2~3回、ツールも5つから7つほど集中的に取り上げます。
2年~3年継続しておこない、最終的には50ツール近くを網羅的に測定評価できると考えております。
次回は2017年3月ごろに実施予定で話をすすめてます。

あと、地方でのイベント実施も予定してます。
地域格差という面でいうと、ハードはそれなりに進んで整備されており、あまり格差がなくなってきたと思ってます。
しかし、こういうソフト面ではまだ情報がなく、「誰がどうやってどういう知識経験を持って教えていくのか?」が定まっていないのが現状です。
先生方も独自に調査されてますが、まだまだ行き当たりばったりの状態が続いていると思います。

現場の先生方の大切な肌感触にプラスして、今回私たちが調査したデータをもって決めていくべきであろうと考えてます。
もちろん、全ての側面は評価できるわけではないのは承知のうえですが、しかし限られた側面でも重要だと思われる側面の調査についてはしっかりと実施していきたいと考えております。

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