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2018.11.28
2018.11.28

シニア×孫が一緒にプログラミング体験!「シュミカツ!×セガトイズ プログラミング教室」

11月18日、セガトイズによる、シニアと孫がプログラミングを体験する「シュミカツ!×セガトイズ プログラミング教室」が、東京のセガサミーグループ本社にて開催されました。

このプログラミング教室は、セガトイズから11月に発売された小学生向けタブレット『ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズ マジカル・ミー・パッド&専用ソフト マジカルキーボードセット』を使い、祖父母とそのお孫さんが一緒にプログラミングを体験するイベントです。セガが運営している大人のための趣味活動サイト『シュミカツ!』で公募を行い、抽選によって選ばれた祖父母と孫の15組が参加。子どもの年齢は4歳から11歳、大人は50代から70代までと、実に幅広い年齢となりました。

セガトイズから発売された『ディズニー&ディズニー/ピクサーキャラクターズ マジカル・ミー・パッド&専用ソフト マジカルキーボードセット』。JIS配列の本格的なキーボードで、プログラミングだけでなく、タイピング練習ソフトも同梱されています。

イベントでは筆者も企画段階から参加し、当日は講師の1人として、プログラミング教育にまつわるお話をさせていただきました。ということで、今回は主催側から見たプログラミング教室のイベント開催効果、そして教育ライターとして見た参加者の様子という2つの側面から、ご紹介していきます。

「プログラミング教育の今」を幅広い世代に伝えたい

まず、シニアと孫という組み合わせが、今回のプログラミング教室の大きなポイントでした。親子プログラミング教室は各地で開催されていますが、祖父母と孫という組み合わせはまだまだ少ないのが現状です。しかし、実はこの組み合わせは非常に相性がよいと思っています。ジェネレーションギャップの激しい祖父母と孫世代の間に、プログラミングという共通体験が生まれることにより、共通の話題ができ、絆も深まっていく効果があると期待しています。

今回は、大きく変わる教育改革の時代において、シニア世代にも短時間で理解していただけるよう、2人の講師がそれぞれ次期学習指導要領の概要やプログラミング教育について解説を行いました。資料を作る際は色々と悩みましたが、いかにわかりやすく、ポイントを伝えるか考え、結局当日朝に最終版ができあがりました。


当日使用した講演のスライド。参加者にも参考資料として配布しました。

当日、イベントは11時から1時間の予定でしたが、10時半の開場時からたくさんの家族が来場し、11時前から子ども達の声でにぎやかになっていました。

今回のイベントでは参加した子どもに一人一台ずつ、「マジカル・ミー・パッド」がプレゼントされました。まずはおじいちゃん、おばあちゃんに製品が渡され、孫へのプレゼントということで、それぞれの家族ごとにお渡しいただきました。うれしそうに大きな箱を受け取り、期待に満ちた顔で箱を開ける子ども達と、それをうれしそうに眺めるおじいちゃんおばあちゃんという和やかな雰囲気から、プログラミング教室はスタートしました。

プレゼントされた製品には、マジカル・ミー・パッドの本体のほか、11月8日に発売された専用キーボード、さらに本体を立てるための専用スタンドが同梱されています。子ども達は祖父母と相談しつつ、スタンドを組み立て、マジカル・ミー・パッドをセッティングしていきます。

使う前に名前の入力などの初期設定が必要なため、子ども達が設定を行っている間に、大人向けに次期学習指導要領をはじめとした教育改革の概要について、教育エヴァンジェリストの甲斐亮さんが解説しました。

↑長崎を中心に、学校や教員に向けてICT活用のアドバイスを行なっている甲斐さん。学習指導要領やプログラミング的思考といったキーワードを丁寧に解説しました。ロイロノートのエヴァンジェリストでもあります。

次に、祖父母と子ども達に向けて、プログラミングによって学校と家庭での学習がどのように変わっていくかを、筆者が解説しました。すでにセッティングを終え、遊べるのを今か今かと待っている子ども達の視線を受けつつ、教育ライターとして、そしてPTAや保護者としての立場から、プログラミング教育や学習のメリット、関わり方などを紹介しました。

↑子ども達にもわかりやすいよう、具体的な例を交えて解説。

この時、特に伝えたかったのが、プログラミングは決して難しいものではなく、現代の子ども達にとっては楽しいものを作りだすことができる道具のひとつであり、そして、プログラミングすること自体が楽しい遊びになっているということです。
だからこそ、家庭でもデジタルツールの使い方について考え、「時間を守る」といった家庭内ルールを設けたり、ネットリテラシーを学んだりすることによって、積極的に正しく楽しく使ってほしいと思っています。

おじいちゃんおばあちゃんもプログラミングに熱中!

2つの講演の終え、後半はいよいよ家族でプログラミングに挑戦しました。
マジカル・ミー・パッドには、2種類のプログラミングゲームが収録されています。今回はそのひとつ、映画『トイストーリー』でおなじみの人気キャラクター、エイリアンのプログラミングゲームに挑戦しました。


エイリアンのプログラミングゲーム。「ばね」や「ロケット」などを使い、画面にいる仲間のエイリアンを助けながらゴールを目指します。

このゲームにはプログラミングの難しい用語等はまったく出てこず、目的に合わせてアイテムを組み合わせるパズル的な要素の強いゲームになっています。最速でゴールにたどり着くシンプルな方法もありますが、プログラミングと同様、正解はひとつではありません。子ども達は自由な発想でプログラムを考えて、ゴールにたどり着く方法を楽しんでいました。

参加者がプログラミングを体験している間、会場をまわって、テーブルごとの様子を見てみました。プログラミングをすでに体験している小学生は、理解してどんどんアイテムを置いてクリアしていきます。一方で、おじいちゃんと一緒に頭をひねりながら考えている子ども達もいました。そして、「難しいなぁ……」と考え込むおじいちゃんの横で、「ぼく、わかった!」と進めていく場面もあり、それぞれのテーブルでプログラミングを楽しんでいる様子が伝わってきました。

頭をくっつけあうようにして、一つの画面に向かっている姿はとても微笑ましく、見ているだけで応援したくなりました。

プログラミングは何歳でも挑戦できる

今回意外だったのが、子どもだけでなく、祖父母の方々が予想していた以上に熱中してプログラミングに取り組んでいたことです。マジカル・ミー・パッドの画面サイズはパソコンなどに比べて小さいため、画面が見づらく参加しにくいのでは……という懸念もありましたが、皆さんが孫と一緒に夢中で画面に向かっていました。そして「難しいね」と言いながらも、理解して正解のひとつにたどり着いた時の嬉しそうな笑顔がとても印象的でした。

今回のイベントを通じて、改めて、プログラミングは世代も性別も国境もこえて取り組むことができるコンテンツだと感じました。

最後に参加者全員で記念写真を撮って終了。

プレイする時間が短かったため、子ども達はまだまだ遊び足りない様子でしたが、それだけ楽しんでもらえたという証拠でもあります。終了後に感想を聞いてみると、「楽しかった」「プログラムを考えるのがおもしろい」といった感想を聞くことができました。
そして、おじいちゃんやおばあちゃんは、講演中に資料を見ながら熱心に頷いたり、要所要所でメモをとっていました。「プログラミングは、自分や生活には関係ないと思っていたけれど、今日話を聞いて意識が変わりました。高齢者もからだを鍛えるだけでなく、学ぶこともやっていきたいですね」といったお話を聞かせていただけたことも、大きな収穫です。

個人的には、シニアの方々のプログラミングへの関心ぶりを見て、もっとシニア層にもプログラミング体験を普及してもよいのではと痛感しました。今後は、祖父母と孫だけでなく、父母もまじえた三世代のプログラミング体験ももっと増やしていければと思っています。

今やプログラミングは、「マジカル・ミー・パッド」のような知育玩具、アプリなど、様々な形で手軽に体験することが可能です。こうした楽しい体験をきっかけにプログラミングの面白さを知ることで、もっともっとプログラミングのすそ野が広がっていくのだと感じています。

相川いずみ