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2016.7.21
2016.7.21

プログラミング教育は一時的なバブルか?

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教育用品展示会ではたくさんの出展と多くの来訪者で賑わっています。このバブルは一時的なものなのでしょうか?
そんなことはありません。そもそもプログラミング必修化は国益を守るため必要なものとして導入が決まりました。

教育展示会

6月10・11日に大阪でNew Education Expo 2016という教育用品展示会がありました。
会場には次世代の教育機器が並び、大変にぎわっていました。
電子黒板
大型テレビをタッチ可能にする付属品

プロジェクターと連携するカメラ付きポインタ

ホワイトボードの観音扉で閉めることができる電子黒板

生徒用端末

落下防止の滑り止めが付いた端末

ボールペンと同様に書くことができる高精細なタブレット

複数人数で同時に書き込めるお絵かきアプリ

鉛筆を意識したタブレットペン

電子教科書

新しい章のはじめに導入ビデオを見せる電子教科書

間違った展開図でも組み立ててみせる電子教科書

答えだけでなく作図も無線提出できる教材

ICTを活用した教育器具

生徒40人が同時アクセスできるルーター

360°カメラで撮った写真をつかった工作

タブレットを書画カメラにするスタンド

撮影画像を無線で飛ばすことができる書画カメラ

靴にタグを付け、走行タイムを計ることができる器具

IoT百葉箱

タブレットが搭載された顕微鏡

電子顕微鏡

プログラミング教育必修化の経緯

このように2020年度からのプログラミング教育必修化に向けてにぎわう教育市場ですが、そもそもプログラミング教育必修化はどのようにして決まったのでしょう。
産業競争力会議
官邸直下の産業競争力会議というものがあります。「日本経済再生本部の下、我が国産業の競争力強化や国際展開に向けた成長戦略の具現化と推進について調査審議するため」設置されました。*1
メンバーは内閣+経済人7名です。*2
この会議の第26回(2016年4月19日)において、安倍総理から「初等中等教育からプログラミング教育を必修化します」ということが明確に打ち出されました。その目的は「日本の若者が、第四次産業革命の時代を生き抜き、主導するため」です。
つまり、プログラミング教育は日本が経済的に生き残るための国策として決められた、ということです。一時的な流行のようなもので決まったわけではないわけです。*3
同じ会議の席で、総務省大臣と経済産業省大臣も発言しています。*4
総務省
「世界最高水準の ICT 人材の育成に向けて、馳(文科省)大臣・林(経産省)大臣と連携し、クラウド活用・Wi-Fi 整備などの支援を通じて、プログラミング教育をはじめ、 産学官連携での取組を推進する。」
経済産業省
「第4次産業革命に対応するという観点から、馳(文科省)大臣から話があったように、初等中等段階からの人材育成が急務であり、産業界と連携してコンテンツ開発や教員を支援する民間人材の確保に取り組んでいく。」
つまり、プログラミング教育必修化は文部科学省単独の仕事ではなく、総務省・経済産業省も巻き込んで進められる大きな動きだと言うことです。

ICT機器の財源

ICT機器の財源は以下のようになっています。*5
備品購入
– コンピュータ
– 周辺機器
– インターネット接続
– 教育用ソフトウェアの整備、等
→地方交付税措置
校内LAN整備
→安全・安心な学校づくり交付金(文部科学省)
教育委員会イントラネット整備
→地域イントラネット基盤施設整備事業(総務省)
主に地方交付税を充てることで、地方自治体が導入しやすくする、とあります。

今後の課題

このように、様々な教育器具の発売は、今後の日本が経済的に生き残っていくために必要だと判断されて決まったプログラミング必修化のためだと言えます。
残る問題は、適切な指導を行うことができる教員の育成および外部協力の獲得となります。
これも難しい問題で、予断を許しません。
1*(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/konkyo.html)
2*(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai26/gijiyoushi.pdf)
3*(http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201604/19sangyo_kyosoryoku_kaigi.html)
4*(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai26/gijiyoushi.pdf)
5*(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1244971.htm)

植田達郎