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2016.9.1
2016.9.1

グローバル人材の育成に注目されている、今話題の国際バカロレアとは?

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皆さん「国際バカロレア」をご存じでしょうか?
文部科学省では2018年までに200校ほど、国際バカロレア認定校等の大幅な増加を目指しています。
日本再興戦略 -JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日 閣議決定)
今後、6回にわたって「国際バカロレアとは?」について連載を開始いたします。
皆様の理解が深まり、さらに良き議論がおこりますよう
この記事をきっかけに、興味を持っていただければ幸いです。

はじめに、グローバル人材が求められている背景

日本の海外留学生は2004年をピークに減少に転じている一方で、企業のグローバル化は進んでおり、
言語や宗教、文化、価値観の異なる国で活躍できるグローバル人材の需要は年々高まっている。
そんな中、2014年には「日本再興戦略」で海外留学数の目標を設定し、
外国語によるコミュニケーション能力のみでなく論理的思考力や課題発見力が身につく
国際バカロレア(IB)」の国内における普及など、日本政府も本腰を入れて取り組み始めている。
そこで、近年注目されている国際バカロレアについても理解を深めるべく、ここでは基礎的な内容をまとめている。

国際バカロレアとは

国際バカレロア(略称IB=International Baccalaureate、以下IB)とは、スイスのジュネーブに本部を置く非営利団体「国際バカロレア機構」が主導する
外交官をはじめとした国際機関で働く職員の子どもグローバル人材育成を目的とした教育プログラムのことである。
母国の大学でも進学できるように国の枠組みにとらわれない大学入学資格・成績証明書を与えるものとして、1968年に始まった。
現在では147の国・地域の4300校以上の学校で展開されている。

国際バカロレアの理念

IBの理念には、「IBの使命」と「IBの学習者像」がある。
どれも国際教育の観点から示されているのが特徴だ。
それぞれ、具体的にどのようなものが示されているのか確認していきたい。
「IBの使命」
「IBの使命」を要約すると、「多様な文化の理解と尊重の精神を持ち、探究心・知識・思いやりに富んだ若者の育成」となる。
その使命のもと、IBは様々な国の教育期間・国際機関と共同で複合的な視野に富んだ国際教育プログラムと厳正な評価基準を追究している。
「IBの学習者像」
「IBの学習者像」はIBの価値観に基づき、学習者に目標として10通りの人物像を示している。
・「探求する人」
・「知識のある人」
・「考える人」
・「コミュニケーションができる人」
・「信念をもつ人」
・「心を開く人」
・「思いやりのある人」
・「挑戦する人」
・「バランスのとれた人」
・「振り返りができる人」

国際バカロレアのプログラム内容の概要

国際バカレロア(IB)が提供するプログラムは、「プライマリー・イヤーズ・プログラム」「ミドル・イヤーズ・プログラム」「ディプロマ・プログラム」の3つにカテゴリ分けをされている。
どれも「人間の共通性」を立脚するテーマを軸にしているのが、IBの独自性でもある。
・「プライマリー・イヤーズ・プログラム」(略称PYP=Primary Years Programme)は、3歳~12歳までを対象としたもので、日本でいう幼稚園から小学教育課程に値する。
・「ミドル・イヤーズ・プログラム」(略称MYP=Middle Years Programme)は、11歳~16歳までを対象としており、日本の中学教育課程に値する。
・「ディプロマ・プログラム」(略称DP=Diploma Programme)は、16歳~19歳までを対象としており、日本の高校教育課程に値する。

なお、日本では文部科学省と国際バカロレア機構が協力したことで、DPで実施される科目の一部を日本語にも対応したプログラム開発を進めている。
既に日本語DPを開始している学校もあり、順次拡大していくだろう。
IBは「母国の大学でも進学できるように国の枠組みにとらわれない大学入学資格・成績証明書を与えるもの」としてはいるが、
その提供している学習レベルは受験を目的にしたものではなく、大学進学後の学習及びその後の進路を見据えている。

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