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2017.2.1
2017.2.1

ウチの学校でも始めてる?ICT教育ってそもそも何のこと?

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最近聞くのがICT教育というワード。何だか難しそうで特別な学校だけがやっているイメージだから関係ないと思っていたら、実はウチの子の学校でも取り入れていたみたい。でも実際、ICT教育ってどんなことをしているの?

☆ITなら知っているけど…ICTって何のこと?

学校で取り入れられ始めているのがICT。日本政府は学校教育の現場でICT を活用していく方向に舵取りしているようですが、いったいこれって何のことでしょう。ICTは聞きなれない言葉かも知れませんが、ITは知っていますよね。ITとは情報技術のことでInformation Technologyの略です。ICTとは情報通信技術を表すITの間にCommunicationのCが入った言葉です。学校現場で使われる場合の意味合いは、電子機器や通信機器をフル活用して情報や知識の交流を進めようということです。
横文字だらけでややこしく感じるかもしれませんが、言ってしまえばパソコン、タブレット、スマホが普通にあってSNSを使いこなすのが当たり前という世の中をうまくわたっていけるような力をつけようということです。そう聞けば納得がいきませんか。現代の生活ではメールのほかLINEやTwitter、FacebookといったSNSを使ってのコミュニケーションの役割が大きくなってきています。子供のうちから使いこなせる力が必要になってくるということですね。
文部科学省は2011年に「教育の情報化ビジョン」を示しました。これは情報化社会が高度に進んだ社会に子供たちが対応していくための指針です。どういう内容かというと将来子供たちが大人になったときに求められる、情報活用能力を育むことの重要性を説いたものです。具体的には学校現場での情報教育を充実させること、ICTを活用すること、校務の情報化を進めること、特別支援の子供たちへのICT利用などです。
実際に教育現場での活用はなされていますが、なかなかCのCommunicationの部分にまで及んでいるところは少ないようです。

☆学校でもうICTは使われているってホント?

そうは言ってもなかなかピンとこないかもしれません。ですが実際に使われている機器の実例を紹介すれば、なじみのあるものも多いはずです。
まずは電子黒板です。ホワイトボードやスクリーンにコンピューターの画面を投影することで生徒が同じ画像や動画を共有することができます。付属ペンを使って先生がリアルタイムで書き込みを入れ、書き込んだ内容を電子変換してデータとして保存することも可能です。インタラクティブ・ホワイトボードとも呼ばれる代表的なICT機器です。
また大型のデジタルテレビもそうです。家庭にあるテレビと同じ汎用品ですが、放送を観るほかにパソコンやDVDを接続して使われることもあります。
プロジェクターも珍しいものではありませんね。スクリーンにモニターの画像を映写するためのものです。コンピューターの画像やDVDやテレビの画像を映写する使われ方もします。OHCと呼ばれる実物投影機も以前から使われていますね。プロジェクターやテレビに接続してプリントなどを拡大して映し出すことができます。
最近登場したのがパソコンやタブレットPCです。特にタブレットは個人に割り当てられることが多くなっています。
ここまではいわゆるハードウェア。ソフトウェアにあたるのがデジタル教材です。パソコンやタブレット上で動き学習に役立つ情報が調べられたり考え方の補助をしたりするものなど、さまざまなものが開発されています。

☆それでICTってどんな効果があるの?

課題の残るICTではありますが、これまでのところ効果はあったのでしょうか。文部科学省の委託した調査では子供に良い影響がみられます。
ICTでの授業を行った先生のうち98.0%もの人が「関心・意欲・態度」で効果があったとしています。そのほかにも「知識・理解」、「思考・判断」、「表現・技能・処理」の項目で評価されています。なにより、児童たちが集中して取り組めたり、学習そのものを楽しめたりという手ごたえを感じています。
子供たちを対象に行った調査でも意欲や達成感で効果があったという結果が出ています。先生と子供の双方に良い影響を与えるのがICTです。
例えばあるテーマを学習するときに、教科書の挿絵や写真を見るだけではなくプロジェクターや実物投影機を利用し拡大提示することで驚きや感想を与え関心を高めています。クラス全員で共有することでイメージをふくらませリアリティを持たせることにつながります。また児童が自分の課題を見付ける手助けにもなります。音楽や体育の授業で、児童の動きを撮影することでは、お手本と自分の演技を比べ自分自身で改善点を理解することができます。
分かりやすい説明のためにも活用されます。つまずきやすい部分の理解を深めるために映像を組み合わせることがあります。書写ではプロジェクターや実物投影機を活用し毛筆での穂先の動きや点描のつながりを示すことで、より分かりやすい授業が実現しています。
最も進んだ活用法はタブレットを使ったフラッシュ型教材でしょう。繰り返し学習で単調になりがちな都道府県名や九九の暗記も、児童はゲーム感覚で飽きずに取り組んでいます。さらに個人ごとにドリルなどのソフトウェアを利用することで先生は各人の正解率や達成度を把握できます。ICTの活用でよりきめ細かい指導が行えるようになっているのです。

☆学校でのICT、これからどうなる?

今後はコミュニケーションの部分が強化されていくでしょう。海を越えての学校や生徒同士の交流から地域社会とのつながりまで活用が期待されます。不登校の子供への学習サポートなどにも積極的に導入されそうです。

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