コラム
COLUMN
COLUMN
コラム
 | 
2017.6.15
2017.6.15

レゴでロボットを学ぶ「レゴスクール」とは?

小さな子どものいる家庭では、ブロックや積み木で遊ばせていることも多いのではないでしょうか。ものを組んだり積み上げたりする作業はバランスを学ぶうえで役立ちますし、同時に想像力を育ててくれます。さまざまな形の積み木やカラフルなブロックは、子どもの興味を引きやすいものです。幼児の頃から積み木やブロックを与えてあげると、はじめは形と色にひかれて手に取るようになり、そこから次第に組み上げていくという遊びをはじめることが多くなります。組み上げてものを作るという過程は、大人になってから物作りや行動のヒントにつながりやすく、大切な経験のひとつです。そこで、子どもの想像力を広げながらレゴを使ってロボットを学ぶことができる「レゴスクール」をご紹介しましょう。

レゴスクールとは?

レゴスクールとは、レゴ社がすすめている教育コンセプトを元に行われている、子どもを対象にしたスクールのことです。人が生まれながらにして持っている「知りたい」という探究心に応えながら、子どもの関心を引きやすい遊びを元に、アイデアや想像力を広げるという考え方が基本になっています。

LEGOの社名は「LEg GOdt」というデンマーク語からつけられています。これは「よく遊べ」という意味の言葉で、そこからLEGOという社名になったのが由来です。子どもが持つ遊びへの関心と学習への関心は、新たな興味という形で世界を広げる原動力になります。遊びを通して想像力をかきたて、アイデアにつながっていくという考え方が、レゴ社のベースになっているのです。レゴスクールでは、子どもの持つ探究心を大切にしながら、レゴを使った遊びを通して学んでいくカリキュラムを提供しています。それは、単純にレゴを組んでいくということだけではありません。
机の上では学べない自由な発想力だけでなく、そこから派生する新たな学習を身につけることがこのスクールの目的です。自由な発想を持っている子どものうちにレゴスクールを体験するのは、大きな意味があるといえるでしょう。子どもにどんな可能性があるのか、引き出してあげるのは大人の役割です。レゴを通してどんなことが学べるのか、どんなことに役立つのかということを、まずここで知ってください。

レゴスクールの基本的な特徴とは?

教材として使われるレゴブロックは、専門ショップでよく売られているものを中心に、年齢に合わせたカリキュラムに沿ってそれぞれ違うものが使われます。しかし、ここで知って欲しい部分は、レゴスクールが大切にしている基本的な取り組み方です。コンセプトやカリキュラムの特徴について説明しましょう。レゴスクールは少人数制が基本になっています。子どもの発想を制限しないために、少人数制を取ることで意見を聞いたり考えを尊重したりする環境を作っています。そして、子どもたちを見てくれるのはレゴ社で研修を受けた認定インストラクターです。
インストラクターは、教材として使われるレゴブロックの基本的な特徴や特性の生かし方を学んでいるだけではありません。子どもたちの自由な発想や思考を伸ばすための、基本的な考えや姿勢についても指導されています。レゴスクールでは、子どもたちに知識を詰め込むということをあえてしません。それは子どもたちが持っている自分から学びたいという姿勢を大切にし、自分で発想することやそこからどんな結果を目標にするか考える力を引き出すためです。自分の能力以上のことを与えられてやる気を失ったり、逆に簡単過ぎることで退屈したりしないよう、常にそれぞれの能力と興味に沿った課題で、感情面でも満足を得ながら進んでいくことがレゴスクールの基本姿勢になっています。

ロボットのカリキュラムって?

8歳~10歳を対象にしたロボティクスのカリキュラムで、「マインドストームEV3」という教材を使用しています。個性的なキャラクターが登場するストーリーから、4つのユニットとして展開していくものです。ロボットデザインやコンピュータのプログラミングに必要なスキルを学んでいきます。
カリキュラムは初年度と次年度に分かれており、2年のコースになっています。初年度は「ロボット・スポーツ・キャンプ」で、フィギュアスケートやスポーツカーレースといったさまざまな競技に登場するスターを組み立てていくことで、必要なプログラミングや操作など基本的なことを学びます。もうひとつの「ロボット・サイエンス・パーク」は、ロボットの生物と実在する動植物の生態を、研究者という目線で比較していくというユニークなものです。そして次年度は、初年度で学んだ基本的な知識や操作を生かして、「ロボット・シティ・ライフ」と「ロボット・デザイン・ラボ」で街のさまざまなものをロボットとして設計して作ったり、さらに踏み込んだ研究やその発表などを行ったりします。初年度で学んだ基本的なものから自分たちの発想で作るだけでなく、新たな研究課題に取り組み発表することでプレゼンテーションの要素まで学べます。

創造性を高めよう

ロボティクスのカリキュラムでは、まず創造性を高めることができます。キャラクターを中心にしたストーリーをヒントに、そこから自分たちで新しいストーリー展開をさせたり、違うアイデアへの発想につなげたりすることができます。ロボットはただ動かすだけでは終わりません。自分が求める動きを、どうすればロボットの動きとして再現できるのかを考えていくことが必要です。どんなプログラミングをすればいいのか、どういった動きがいいのかなど、さまざまな発想と思考が求められることで新しい発見ができることもあります。

そして見た目も重要です。その役割にはどんなデザインがいいのか、どんな形状なら使いやすいのか、色はどうすればいいのかといったことを、あらゆる角度から見る能力も養われます。基本的なことを学ぶことで、独自に違うものを発案して工夫し、作り上げる可能性も出てくるでしょう。例えば、自分の生活に必要なことだけでなく、違う問題の解決をするために必要なことを考えるきっかけができれば、そこから何を作ればいいのか、そしてそれにはどんな動きのものが適切なのかをリサーチして考えていく力が生まれます。子どもの持つ自由な発想とアイデアを制限しないことで、違う展開が見られるのもレゴスクールのユニークな特徴といえるでしょう。

STEMってどんなスキル?

ロボティクスのカリキュラムで学べることひとつに、「STEM」というスキルがあります。「STEM」とは一体どのようなものでしょうか。「STEM」とは、Science, Technology, Engineering and Mathematicsの略で、科学と技術、工学、そして数学のことです。これらの要素をカリキュラムに取り入れることで、センスとして身につけていきます。ロボティクスのカリキュラムでは、メカニズムに興味がある子どもはさらに深く仕組みや必要性について学べるのではないでしょうか。
実際に自分でどんなプログラミングをすればその動作が行えるのかを知ることは、その後の興味の方向性を大きく変化させる可能性を秘めています。そこには、男の子だから女の子だからという分け方は必要ありません。興味が少しでもあれば機会を作ってあげることがまず大切です。特にロボットなどに興味のない子どもでも、楽しめる要素は十分あるといえます。自然の動植物に関心の高い子どもの場合は、自然な動きをメカニズムとして再現するという新しい興味に移行することも考えられます。子どもの発想と可能性は無限大です。そのひとつとして「STEM」のスキルが身につけられます。

コミュニケーションも育める!

ただ黙々と作っていく時間もあれば、ひとりひとりがじっくり考えていく時間もありますが、それだけではありません。カリキュラムを進めるなかで、コミュニケーション能力も高めていくことが可能です。子どもの性格はさまざまで、もちろん個人差があります。仲間と一緒に何かを進めるのが苦手という子どももいます。それぞれに違いは出てきますが、ひとつのことを解決するために皆で意見を出し合ったり協力したりすることで、協調性が生まれやすくなるのです。用意されたストーリーのなかで必要なものを考え、さらに自分たちの暮らしなど自由なテーマで研究し発表するという一連の作業は、自然と自分以外の人や物への興味へとつながるでしょう。そして、研究したものを発表するという機会は、社会に出たときに役立つ場面は多いのではないでしょうか。

実際に何らかの研究や開発をする職業へ進むきっかけになることも考えられますが、そうではない場合でも役に立たないわけではありません。日常生活で自分の意見を伝えたり疑問を感じたことを追求したりすることは大切なことです。ほかの人と協力して問題解決につなげる必要性とコミュニケーション能力を、カリキュラムを通して育むことができます。さらに、プレゼンテーションを通じて人前で発表するという体験は、大きな自信にもつながります。ものを作るという体験を通じて、社会で必要なたくさんのことが学べるのです。

テクノロジーへの興味

パソコンやインターネットなどを子どもの頃から家庭で触れることは増えていますが、学校教育でもICTの導入と重要性は高まっています。レゴスクールのロボティクスカリキュラムはICTをベースにしたシミュレーションモデルを使っているので、違う方向からパソコンなどへの興味を高めていくことが期待されます。また、ICTがベースになっているプログラミングを使って動作させたり制御したりすることで、新しい発見につながることも考えられるのではないでしょうか。自分が決めた目的に必要な動きや操作に伴う情報を整理し、伝えていくという能力を身につけることにも役立ちます。さらにそこからもっと大きな夢へと発展するかもしれません。
早い段階からさまざまな可能性を広げてあげることで、それだけ進路への考え方にも影響してきます。レゴスクールはICTを違う形で体験しながら、自分がどんな分野に進みたいかをできるだけ早く考える、きっかけ作りのひとつとして役立てることができます。ICTはこれからの社会に必要不可欠ともいえる重要なものです。製品としてできているものを使うだけでなく、実際の作りや操作に関する工程を知ることで、知識をさらに深めることができるでしょう。

もっと小さな子どもでもできる?

レゴスクールは3歳、4歳、5歳、6歳、7・8歳、そして8・9・10歳の年齢に応じた、6つのカリキュラムが用意されています。3歳から体験できるコースがあるので、成長に合わせて学ぶことができます。使われる教材やテーマも年齢によって変化するので、3歳からはじめておくと段階を経て成長していくことができ、それだけ自由で豊富な可能性へとつながる期待が持てます。もちろん、それ以上の年齢からはじめるのもおすすめです。レゴブロックは家庭で楽しむ場合が多く、子どもが自分で自由に組んでいけるブロックとして親しまれています。
子どもだけではなく大人でもコレクションしている人はいます。親子で楽しめるおもちゃといえるでしょう。遊びながら興味をそそらせて学ぶことにつなげたい場合や、子どもの可能性を制限せずに引き出してあげたいと考えるなら、ぜひレゴスクールで学ばせてみましょう。個人差は見られますが、3歳という年齢は想像力も広がりはじめる頃です。実際に子どもがやってみたいと思うか心配という人は、体験レッスンがあります。遠方からも可能なので気軽に体験してみましょう。
レゴブロックを通してどのように学習につなげるのか、どんな学び方をするのかを見ることができます。すでにレゴブロックで遊んでいる子どもだけでなく、レゴブロック未体験でも体験してみてください。問い合わせはレゴスクールのサイトからいつでも可能です。

近くのレゴスクールに行ってみよう!

レゴスクールは東北エリア、関東エリア、東海エリア、関西エリア、そして沖縄エリアで開講されています。地域によってスクールの数は異なりますが、まず体験レッスンを受けてみるのもいいでしょう。
こどものミライ」ではスクール検索があるので、ご自宅の最寄りのスクールをチェックしてみてくださいね。

こどものミライ