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2018.9.27
2018.9.27

プログラミングできる、手のひらサイズのコンピューター「micro:bit」

「プログラミングトイがやってきた!」第2回でご紹介するのは、イギリスからやってきた話題のプログラミング教材「micro:bit(マイクロビット)」です。

「micro:bit」を体験してくれたのは、お仕事をしながら週末を使って子供たちに電子工作やプログラミングを教えるイベント団体を主催している愛知県のパパさん。
子供たちにプログラミングを教えるために試行錯誤されてきた経験からmicro:bitの手軽さを分かりやすくレポートしていただきました!

体験商品のご紹介~micro:bit(マイクロビット)ってどんなおもちゃ?

今回、親子レポーターとして体験したプログラミングトイは「micro:bit」。
イギリスのプログラミング教育向けマイコンボードです。
イギリスでは11歳〜12歳の子供全員(100万人)に無償で配布され、授業の中で活用が進んでいます。

そんなmicro:bitですが、ロボットから楽器まで、作ることができる優れモノ。
しかも、簡単に始められます。

ソフトのインストールは必要ありません。
インターネットからアクセスするだけで始められます。
任意のウェブブラウザーからブロックエディター、Javascript、Python、Scratchなどを使ってプログラムすることができます。

Scratchをやった後に、電子工作をしたい、ロボットを作りたいとRaspberry Pi(ラズベリーパイ)やArduino(アルデュイーノ)ではちょっと苦戦した方でも、micro:bitなら思いのままの作品をDIYできそうです。

micro:bitの機能ですが、
 ・25個のLED
 ・2個のボタンスイッチ

ここまででも十分DIYが楽しめますが、さらに、
 ・タッチセンサー
 ・加速度センサー
 ・磁力センサー

あげくの果てに
 ・無線通信機能

までついてしまっているのです!!

これだけついて単体で税込み2160円。信じられない価格です。
http://www.coporii.com/?pid=132444028

2020年までに日本の30万人の子供がマイクロビットを使って遊び、学べる環境を作ることを目標にしているという「マイクロビット財団」。
本気です。

micro:bitがやってきた!

「これ開けていいの?」
6歳の息子が我慢できない様子でハサミを持ち出してきました。


中からは、micro:bit本体をはじめ、スピーカーなど面白そうな道具がズラリ。


そしてなんといっても、本があってよかった~。
『手づくり工作をうごかそう! micro:bitプログラミング』
http://www.coporii.com/?pid=132374223

上の道具セットだけでは、「で、何したらいいんだろ?」と途方に暮れることでした。


「おれはコレ作る!」
本をみて、4歳の娘も参戦。
「わたしはコレー!」
とかなりの食いつき。

電子工作では苦い思い出のある私。
もともと文系出身で、電子工作には無縁。
それでも、子どもたちには幅広い経験をしてほしいと、電子工作に手を出しました。
有名どころで、Arduino(アルデュイーノ)に手を出して、大苦戦。
特にパソコンの環境設定が恐ろしい。まったくArduinoにデータが読み込まれず、
何度も何度もエラーにエラーを重ねて、丸二日かけて、やっとLEDを光らせることができて、力尽きました。

「micro:bitも丸二日かかるのかも…」
子どもたちの期待の高まりとは逆に、だんだん心配になる父親の私。
「あぁ、レポーターなんてやるんじゃなかった」
そんな心の声を抑えつつ、Googleで「マイクロビット」と検索。
「プログラムしましょう」というところからリンクをたどっていくだけで、開発環境が整ってしまいました。
※こちらの画像の右下のところです。

この記事をご覧の皆さんにはワンクリックで環境設定いただけるようにリンクをご用意しました。
リンク先はこちらです。
https://makecode.microbit.org/#

感動。
「ホントにできた。一発でできた。」
ソフトのインストールが一切不要でした。
ビックリです。

「好きなところを赤く光らせてごらん」
「わーい、わたしやるー」
とお絵描き感覚で、謎の形を刻んだ娘。


よしプログラミング完了。
4歳の娘でも3分もかからずプログラムが組めて、micro:bitへの期待が抑えられない、私。

いやいや。油断禁物。辛いところはここから。
いくらパソコンに環境設定できても、プログラムが組めても、Arduinoでは、データを書き込むところで、何度もエラーになったんだ。
もちろん自分の設定が間違ってたから悪いんだけど…
micro:bitもそうなるかもしれない…

悩んでも仕方ない
試しにポチッと。
一発で書き込みが完了の表示!
その瞬間に、micro:bitが点灯!

ちゃんとパソコンで描いた通りの光り方をしている。

「わたし、すごーい」
と大喜びの娘。
「お父さん、ありがとう!」

「まあ、こんなもんだな」
(心の声:micro:bit、すごーい。ゴメン、一発では絶対無理だと思ってた。
ありがとうmicro:bit。)

娘によれば、某テレビ番組の魔法のステッキが作りたいとのこと。
(「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」の「マジョカルミナ」を作りたいとのこと。)
わかるよ。父さんも昔、某アニメの変身アイテムを段ボールで作ったよ。
(「聖闘士星矢」の「聖闘士クロス」を段ボールで作ったさ)
今は、光ったり、音が出る工作まで、やろうと思えばやれちゃうんだから、30年前とは違うなぁ。と時代の変化をしみじみ実感。

傾けるだけで音が鳴る。光が出る。
そんな魔法のステッキが完成しました!




6歳と9歳の2人の兄は、妹の魔法のステッキを見て、micro:bitに興味を持ちはじめた様子。
「待ってました」と、私。
息子たちとは、タッチセンサーで基盤に触ると表情を変える猫を作りました。
一応不機嫌な顔です(汗)


作り方も本のおかげですこぐ簡単でした。
はじめてプログラミングをやったり、電子工作をする場合は、この本はすごーく助かります。


そのほかにも、電子サイコロや基盤を傾けて遊ぶゲームなどかなり手の込んだものを作ることができました。

YouTube大好きで、スマホもタブレットもガンガンつかっている子どもたちでしたが、自分の手でプログラムを組んで、画面ではなく、現実の世界に作品を作れることに新しい楽しみを見つけたようです。
うちは、レポーターで体験させていただきましたが、まだ足りないらしく、せがまれてmicro:bitを購入することにしました。

今回の体験を通して、プログラミングとは、既製品で遊ぶ側から、自分たちの遊びを作り出す側に現実を変える技術になる、と感じました。

プログラミングトイは、ともすれば挫折体験ばかりになりがちなプログラミングの学習を、楽しい成功体験の積み重ねに変えてくれる魔法のおもちゃだと実感しました。

最初は親子で遊ぶ。
興味の火がついたら、あとは勝手にどんどん学んでいく。
中々子どもとじっくり遊ぶ時間を作れないのが正直なところですが、
1時間もあれば、micro:bitのお作法はマスターできそうです。

micro:bitをつくってくれたエンジニアの方に心から感謝します。
そして、micro:bitと出会わせてくれたひらめきボックスcoporii様に感謝です。

親子体験レポータープロフィール

佐藤仁
文系大学出身。電子工作に挫折したことのある3児の父。

プログラミング・イベント団体BINGO主催/ロボット教材収集家/電子ブロックからLEGOマインドストームまで様々なロボット教材を収集中。プライベートでは、3人の子どもと一緒にネコ型ロボットドラえもんを作るための方法を研究中。

ひらめきボックスcoporii