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2018.11.30
2018.11.30

将来のどんな仕事にも役立つプログラミング

なぜ今、学校教育でプログラミングが注目されているのか

プログラミング教室の人気が高まり、小学校での必修化も決まったプログラミング教育。「でも、うちの子は理系って感じじゃないしなあ」「エンジニアにしたいわけではないんだけど……」はたまた「プログラミング教育って本当に必要なの?」などと思っていませんか?

いえいえ。実はプログラミング教育は、農業やサービス業など一見アナログな世界でも役立つものなのです。

そもそも「プログラミング」っていったい何? どんな力が育つの?
今回は、そんな素朴な疑問にお答えしつつ、未来の社会で役立つプログラミング教育について紐解いていきます!


ロボットコンテストから見えてくる「プログラミング教育」の中身

「プログラミング教育」の必修化は2020年に小学校でスタート。2021年には中学校、2022年には高校と順次、実施されていきます。学校教育で目指すのは国際社会で生き抜ける「IT力」の育成なのだそう。そして、それはどんな子どもにも生きる上での底力になるものなのだといいます。

待って待って! 「IT力」って何!? 「プログラミングする力」とは違うもの?
そう思ったあなたのために、ロボットコンテストを例に考えてみます。

ロボットコンテストは、決められたルールの中でロボットを製作し、その性能やアイディアを競い合う大会です。その勝負は例えば「ゴールにいくつボールを入れることができるか」を競うものだったり「どれだけ早く正確に決められた作業を終えられるか」だったりします。

テレビで放映される高等専門学校の全国大会は、知っている方も多いのではないでしょうか。最近はプログラミング教育の推進とリンクするように、小・中学生が参加できるロボットコンテストも増加しています。

レゴブロックにモーターやセンサーを組み込んでiPadでプログラミングする「レゴ® WeDo2.0」を使った大会「WRO Japan 2018 WeDo Challenge」の様子。6歳から10歳の子どもがチームで参加し、さまざまな競技にチャレンジします。優秀チームは国際大会への参加も!

競技のルールは大会ごとに異なりますが、大きさ重さの制約や危険行為などのいくつかの禁止事項を守れば、「どんなロボットで、どう闘うか」という点は、基本的に参加者にゆだねられています。

例えば時間内にひとつでも多くボールを入れる競技なら、ひとつずつ狙い通りに投げられるロボットにするのか、たくさんのボールを投げてこぼれたボールを素早く回収できるロボットにするのか、着想は自由!
すべての参加者にとって目指す成果は同じでも、その戦略は無限なのです。

さらに、戦略を実行するためのロボットの構築にも無数の選択が必要です。素材をどうする? 形は? 重さのバランスは? チームで参加するなら、話し合いながら理想的な形をまとめ上げ、その実現に向かっていくコミュニケーションも必要になります。

そして、ロボットの構想が固まって、ようやくロボットを動かすためのプログラムを作り上げる「プログラミング」の出番がくるのです。プログラミングは、ロボットの動きの一つ一つをPC上で決めていく作業。「右のバーを左斜め45度に動かす」「中央のボードを毎分何cmの速度で上げながら回転させる」などの指示をPC言語と呼ばれる特殊な言葉で書き込んでいきます。この一連の情報=「プログラム」をロボットに送ることで初めてロボットが動き出します。

「IT力」は情報や技術を活用する力

ここまでの話で見えてくるのは、ロボットを操作するためのプログラミング作業はロボット製作の一部でしかないということ。一方で、文部科学省の示す「小学校プログラミング教育のねらい」では、プログラミング言語を覚えたりプログラミング技術を習得すること自体は目的としないとしています。

つまり、プログラミング教育でまず子どもに育てたいのは、技術ではなく、どんなプログラムを使えば課題がクリアできるか、それ以前にどんな課題があるのか、ほかに方法がないのかなど、知識や想像力を駆使した問題解決力。ロボットコンテストで言えば、どんなロボットで闘うかを考えるための思考力です。

同時に、ロボットの構想を立てるには、コンピューターでできることを知っておく必要があります。また、コンピューターを使えば、スピーディに多くの情報を得ることも可能です。こうしたコンピューターの特性を知り、情報を選び、活用できる総合的な力が「IT力」いわば「情報技術活用力」です。

膨大な情報から、正しい内容、必要な内容を選ぶ力も、これからの社会で必要とされるIT力のひとつ。

単純に理系の子どもを育てるための教育ではない

認知発達支援と視聴覚教育メディア設計の専門家である沢井佳子先生(チャイルド・ラボ所長)は「プログラムを組む作業だけをプログラミングと考えるのではなく、プログラムを生み出す思考全体を大きくとらえるといい」と話します。

「例えば私たちはふだん何気なく歩いていますが、ロボットを歩かせようと思ったら、ひざの関節を曲げて、足をどの高さまで上げ、どれくらいの速さで、どの角度に、どれくらいの距離前に出して……と極めて細かい指示を与えなければなりません。こうした分析を、いかに細かく注意深くできるかがプログラミングの根本です。

プログラムを作ることは、目的を明確にし、必要な手順を選択し、組み合わせていくこと。Aを選んだらどうなるか、Bならどうかと比較し、指示を出し、目の前の結果を確かめながら、論理的な思考力を高めていきます。これがプログラミング的な思考であり、プログラミング教育は、それを育てるものであるべきです」

精巧な動きをするロボットは細かい動作も徹底的に分析してプログラミングされている。

理想はあるけれど、どうしたらいいか見当もつかないということは大人にもありますよね。いろいろ試してもうまくいかないことも多いものです。でも、「じっくり考えたらできた」「やり方を変えたらできた」という経験の一つ一つが試行錯誤するための引き出しを増やし、諦めない気持ちを育てていきます。

文部科学省のプログラミング教育を紹介するサイトでは、IT力がどんな職業にも役立つという一例に、プログラミングで仕分けを効率化した農家などを紹介しています。もちろんIT産業もこれからますます広がっていくので、IT力が就職先の選択肢を増やすでしょう。

でも重要なのはプログラムを組み上げるためのプログラミング的な思考力。そして、プログラミングを通して夢を実現できると知っていること。何より、未来に期待して、理想を思い描けること。それこそが、いつの時代も、どの職業にも求められる力です。

プログラミング教育は、まだスタート段階。プログラミングは、親が思う以上に急速に子どもに身近なものになっていきそうです。環境を与えるなら、親も技術だけに注目するのではなく、子どもの発想や思考に目を向けていく必要があるでしょう。

そして、プログラミングの成功や失敗に関わらず、考えたこと、気づいたことに「いいね!」と言ってあげることが、子どものための一番大切なサポートなのかもしれません。

「すごい!」「楽しい!」という体験が、好奇心や探究心を刺激して、思考力の土台をつくりあげていきます。

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