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コラム

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2018.10.25
2018.10.25

うんこライター、ガチのプロに取材する。〜電通が誇るAIプロフェッショナルにインタビュー!〜Vol.2

前回の続き!

AI MIRAIおよびAIクリエーターズクラブ™の福田宏幸さんと電通デジタル、アドバンストクリエーティブセンター グループマネージャーの和泉興さんにお話を伺っています!

今回はAI時代に求められる人材の育て方について深掘りしています!
さっそくお楽しみください!

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アドバンストクリエーティブメーカーはどういった意図でつくられたんですか?


↓アドバンストクリエーティブメーカーの詳細はこちら!一言でいうとAIを使ったバナーの自動生成ツールです!

http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0516-009538.html

和泉さん「そもそもの目的はクリエーターの業務支援です。バナーの大量作成も大変ですが、バナーって1、2週間で人気のあったものがクリックされなくなることがあるんですよ。そうすると、また新しいバナーを短期間で大量につくらなければいけなくなる。で、現場が疲弊していく。業界では“摩耗”って呼ばれるんですけど。」

福田さん「そう都合よく人は集まらない。でも集まらないと、過酷な作業をやっている人がどんどん休めなくなってしまう。求められるスピード感が人の手だけではもう間に合わない、という状況が現場ではしばしばあります。

企画やコピーの仕事にしても、とにかく100本ノックをして、案をしぼって、選ばれた案を磨いて、企画書にまとめて・・・みたいな作業をやるんですけど、効率が悪いですよね。」

和泉さん「ごはんに例えると、お米を炊くのに火をおこすところからはじめるようなもの。もちろん火おこしからこだわれば美味しいかもしれませんが、定食屋さんでそんなことをしていたら大変ですよね。そこにはやっぱり炊飯器が必要じゃないかと思います。

ただし、業務効率化はあくまで第1段階で、目指しているのは、付加価値のあるクリエーティブがつくれるようになることです。

単純に言えば、AIだと驚くほどおもしろいコピーが書けるとか、人間の手ではできない大量のコピーを一瞬で量産するとか、AIの発想をうまく活用して人間だけではできない表現を生み出すとか、そういったこと。

ちょうど電子レンジが生まれてから、料理の可能性が広がったような感じでしょうか。コスト削減や業務効率化はもちろんですけど、もっと付加価値のあるものをAIで生み出したいですね。」

アドバンストクリエーティブメーカーの反響はありましたか?

和泉さん「おかげさまでお問い合わせが結構あります。興味を持たれるのは大量のバナーを生成する会社さんですね。問い合わせの内容から新しいニーズも見えてくるので、それをフィードバックしてより使いやすいツールに改良したりしています。」

人とAIがタッグを組む上で重要なことは何だと思いますか?

和泉さん「形としては2つあると思います。人が担うべき領域とテクノロジーでしかできない領域の知見を1人の人間が併せ持つか、もしくは専門家同士がタッグを組んで連携するか。肝はどっちもケアできる状態をつくることですね。

1人の人間がすべてを持つのは理想なんですが、なかなか完璧な人っていませんよね。となると、チームで両方を兼ね備えるのが話は早い。

ただ、そのとき注意しておきたいのは、“ぼくはこの領域の担当なんで、あとはおまかせ”みたいになってしまうのは良くない。お互いの領域に興味を持って行き来できるようになっておくことが大切。違う領域のことをすべてマスターするのは大変ですけど、 “だいたいこうやると、これくらいのことはできそうだ”と、予測が立てられると連携しやすいです。」

福田さん「企画が実現可能かどうか判断するのはそのチームのプログラマーです。その人のレベルが低いと、本来なら実現できる企画も不可能になってしまう。レベルの高い専門家がいれば回避できるんですが、その人がどのレベルの専門家なのか判断できないと、それも不可能。やっぱり企画する人も今のテクノロジーで“どれくらいのことができそうか”分からないと最先端の仕事はできないですね。」

和泉さん「アートディレクターとフォトグラファーの関係に似ているかも。アートディレクター自身が写真を撮れる必要は必ずしもないけど、“デジタル写真の技術が今どれくらいになっている”“コストは大体このくらい”“こういう写真ならこのフォトグラファーが最適だ”などの情報を知っていると、よりデザインの幅が広がりますよね。」

福田さん「写真と同様、AIもいろいろありますからね。“このAIの使い方ならこの人がいい”というのを知っているといいですよね。人のアサインを間違うと思ったような成果は出ませんから。画像認識が必要な案件で言語処理系の人を呼んじゃう、みたいな。」

プログラミングの知識はやっぱり必要ってことですかね?

和泉さん「そうですね。知識があると進み方も違ってきます。電通デジタルの役員もクリエーティブ出身なんですが、彼は自分でコードもかけるんです。打合せの場でも企画内容を言葉で伝えるより、簡単なプログラムでささっと動かせた方がイメージを共有しやすい。プレゼンのときでも得意先の反応がぜんぜん違ってきます。」

福田さん「クリエーターがコードを書けると鬼に金棒ですよね。ただ、そのスキルがあったとしても、全部をやるときりがないので、どこかのパートを他の人に頼むことは必要です。

まあ……そもそもプログラマーはクリエーターであるという考え方もあります。海外のカンファレンスに参加して、“どうやってクリエーティブとテクノロジーを掛け合わせてるの?”と質問したら、“幸運なことにテクノロジーを担う人がクリエーティブなんだよね”と答えられたこともあります。両方できるのはやっぱり強いですね。」

アドバンストクリエーティブセンターの方たちはプログラミングに強いんですか?

和泉さん「そうですね。みんなある程度はできますよ。ビギナー向けの講義があったり、実際にプログラムをさわったり、学習できる環境がありますから。そもそもプログラミングやテクノロジーに興味のある人材を選んでいるっていうのもありますけど……。」

アドバンストクリエーティブセンターについて詳しくはこちら↓
http://advancedcreativecenter.com/

今後、AI時代で活躍できる人材を育成するには何が必要だと思いますか?

福田さん「先ほども出ましたが、領域を横断できることは重要です。他の領域の人とコラボできる人はやっぱり強い。同じ研究者でも、自分の領域に閉じこもってなかなか越えられない人と、軽々と越えられる人がいるんですが、差が開くのはまさにそこです。」

和泉さん「ただ、そうは言っても、1つくらい専門領域を持っていた方がいいと思います。成長の仕方としては、大学などで専門分野を磨きつつ、社会に出たら他の専門家とのコラボを経験するのが望ましい。新しいものや領域を柔軟に取り入れられる考え方は、専門的なスキルとセットで持つのがいいと思います。」

福田さん「大学でも最近はいろんな学部が領域を越えていますよね。メディアアートとか。」

和泉さん「やっぱり知らないことをおもしろがれるマインドが大事ですよね。」

2020年以降のプログラミング教育ってどうあるべきだと思いますか?

和泉さん「例えば現在でも、テレビがどういう仕組みで映像を映すのか正しく理解している人は少ない。技術の世界ではよくあることですが、使う側の人がどういう技術で動いているのか理解していないケースが多い。AIもブラックボックス化している傾向があります。

テクノロジーを担当する側とユーザーとの間に乖離ができてしまうと、その国の全体的なテクノロジー意識はなかなか上がっていかないので、ふだん接しているものがどう動いているのか理解を深めるのは大事だなぁと思います。」

福田さん「テクノロジーで動いている中身がわかると、どういう技術を応用するのがいいのか、発想しやすくもなりますしね。」

本日は貴重なお時間ありがとうございました。

福田さん・和泉さん「ありがとうございました」

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インタビューは以上です!

福田さんも、和泉さんも、とてもやさしい空気感を持っていて
ぼくのシロートくさい質問にも、懇切丁寧に答えてくださいました!

ありがとうございます!

ちなみにインタビューに行った私、西畠と
テクニカルアーキテクトの柴田さん、アートディレクターの中川さんはこれを機会にAI MIRAIとAI クリエーターズクラブに加えてもらうことになりました!

■今回の要点

①ADVANCED CREATIVE MAKERは業務効率化が基本的な目的だが、そこから付加価値を生み出すことを目指したい。

②付加価値とは、例えば大量のクリエーティブを一瞬でつくったり、だし分けたり、AIを活用しないとできないようなおもしろいコピーをつくったり、AIでしかできない表現を生み出すということ。

③ADVANCED CREATIVE MAKERは問い合わせが結構きている。つまり、需要がある。

④人とAIがタッグを組むにあたってはどっちの領域もちゃんとケアできる体制をつくることが重要。

⑤領域を行き来するために、クリエーターもテクノロジーやプログラミングの知見を学んでいた方がいい。そこができると大きな武器になる。

⑥アドバンストクリエーティブセンターのメンバーはプログラミングができる。

⑦プログラミング教育は、テクノロジーの中の仕組みまで理解できると発想が広がるので、そこをちゃんと教えてあげるといいと思う。

こんな感じです。

個人的には、これまでコラムで書いていたことが、あまり外れていないと思える回答をいくつかもらえたので、そこはちょっとホッとしています。

当然と言えば当然だけど、素人が考えるようなことは、プロならとっくに考えたり、検証したりしているので、思っているよりもテクノロジーの現場の進歩は早いし、そこに目をつけている人もたくさんいるんだなと感じました。

また、自分の子育てのことも考えると、このコラムを担当してから、プログラミング教育の必要性を感じることが多くなりました。どこかで子どもにプログラミングに興味を持ってもらえるようにアクションしますが、親がでしゃばって子どもがその科目をキライになるのは最悪なので、できるだけ自然な形で好きになってもらえるのがいいなと思っています。好きは、最強ですから。

自分の子どもがプログラマーやテクノロジストになるのはイメージがつきませんが、そうなってもならなくても、プログラミングの知識は無駄にはなりません。心配せずに、楽しく学べればいいのかなと。

そもそも特定の職種につくこと自体、時代遅れになるかもしれないので、プログラミングに限らず、子どもなりに自分で考えて動けるような思考の下地をつくってあげることが大事なんじゃないかと思います。

今回のインタビューは特に学ぶことが多かったし、電通グループのAIプロジェクトのメンバーの仲間入りもできて、とても実りのあるものになりました。インタビューを受けてくださった福田宏幸さん、和泉興さん、この機会を設けていただいた広報のみなさまにはとても感謝しています。ありがとうございました。

次回は・・・えーと、あのー、
まだ正直なにも考えられていません!

誰か助けて!

原稿が間に合うか乞うご期待!

西畠勇氣 西畠勇氣