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2018.12.6
2018.12.6

スフィロ「Sphero BOLT」

親子で楽しめるプログラミングトイを実際に遊んで、その学びを研究する「スマートトイ研究所」。第3回は、球型ロボットの最新版『BOLT(ボルト)』を紹介します。

ボール型ロボットSpheroの最新モデル

BOLTは、ボール型ロボットやスター・ウォーズ『BB-8』ロボットなどでおなじみのSpheroシリーズの最新モデルです。スマホのアプリで自由に操作できるだけでなく、プログラミングアプリ『Sphero Edu』で3種類のプログラミングを行うことができます。さらに、絵や文字を表示できるドットスクリーンや複数のセンサー搭載など、これまでにない新機能を備えた上位版になっています。

BOLT自体の基本的な動きは前後左右に転がるシンプルなものです。操作が簡単なため、小さな子どもでも手軽に遊ぶことができます。さらにプログラミングをすれば、角度やスピードを変えたり、内蔵センサーを使って仕掛けをしたり、内蔵LEDを光らせたり音声を出したりと、工夫次第でいろいろな遊び方をすることが可能になります。

『Sphero BOLT』
●発売 スフィロ
●価格 17,800円 (税別) ※Apple Storeでの販売価格

【パッケージの内容物】
・Sphero BOLT本体
・充電ベース(非接触充電)
・充電用USB/Micro USBケーブル
・クイックスタートガード
・ヘディング、方向、クロックを計測できる分度器(紙製)
・ステッカーシート

BOLTの外側は完全防水のスケルトンシェルに包まれています。小さなボディには、ジャイロスコープ、加速度計、赤外線通信、デジタルコンパス、光センサー、モーターエンコードなどの機能が詰まっています。さらに、前後のLEDのほか、8×8のドットスクリーンも搭載されています。稼働時間も改良され、フル充電時なら2時間以上と、これまでのSpheroシリーズより長く遊べる点も魅力です。

専用アプリ『Sphero Edu』では、BOLTの機能を解説した3Dモデルを見ることができます。

プログラミングからアートまで!遊び方は無限大のBOLT

では、BOLTでどんなことができるのでしょうか。

いくつか例を挙げてみると
・アプリで操作して、ラジコン風にコースを走らせる
・ドットスクリーンに文字や絵を設定して表示させる
・プログラミングで多角形に走らせてみる
・好きな言葉をしゃべらせる
・BOLTに絵の具をつけて、白い紙の上を走らせて作品をつくる
など、思いつくままに好きなことができます。

今回はプログラミングと、ドットスクリーンの表示で遊んでみました。
BOLTでプログラミングをするには、スマートフォンもしくはタブレットと、無料の専用アプリ『Sphero Edu』が必須になります。『Sphero Edu』は、これまでのSpheroシリーズに対応しており、3種類のプログラミングを楽しむことができます。

『Sphero Edu』のプログラミング画面。指で軌跡を描くだけで操作できる簡単なプログラミングもあり、幼児でもすぐにBOLTを操作することができます。

プログラミングには、指でなぞった通りに動く簡単な「ドロー」、命令ブロックを組み合わせてプログラムを組む「ブロック」、Java Scriptを使った本格的な「テキスト」の3つがあります。おすすめはブロックですが、まずはドローでBOLTがどんな風に動くのかを試してみるのもよいでしょう。

ドットスクリーンに絵や文字を描いてみよう

「ブロック」プログラミングでは、スマホの画面でもストレスなくプログラミングが可能です。最初は「Sphero」メニューにあるBOLTのチュートリアルから始めるとと、順を追って進めていけるのでおすすめです。

iPhone Xでの『Sphero Edu』画面。「Sphero」や「コミュニティ」メニューには、世界中のユーザーが作成したプログラムがアップされています。

まず、挑戦したいのが、BOLTの最大の特徴である8×8のドットスクリーン。『Sphero Edu』のプログラミング画面から、好きな絵や文字を設定していきます。

ドットスクリーンの設定画面。「あいうえお」のひらがなや、顔マークを作ってみました!

1ドットずつ色をつけていくため、最初は面倒そうに感じたのですが、ドット数が多くないため、実際にやってみるとそんなに手間は感じませんでした。ひらがなやカタカナなどの文字を複数つくってアニメーションさせることで、好きな単語にすることも可能です。点灯させたい色を選び、指でなぞっていくだけなので、子どもでも簡単に作成できます。間違えたら、黒でなぞるだけでオーケー。アプリ上で完成図を確認できるので、満足いくまで作り込むことができました。
ちなみに、自分で作らなくても凝ったアニメーションパターンがたくさん用意されているので、最初はここから使うのもよいですね。

また、BOLTではサウンドブロックを使って好きな言葉を話す「スピーク」機能が搭載されています。といってもBOLT本体から音が出るのではなく、話したい言葉を設定すると、スマホやタブレットから音が出る仕組みです。このドットスクリーン表示とスピークを使いこなすと、色々と楽しいことができそう! さっそく子どもと一緒にスマートトイ研究所の宣伝プログラムをつくってみました。以下の動画にてお楽しみください。

これはとてもシンプルなプログラムなので、プログラミングが初めての人でも簡単に作成できます。玄関に置くお迎えロボットなども、簡単につくれそうですね。

図形を描くプログラミングに挑戦!

次はもう少し複雑なプログラムに挑戦してみました。小学校の算数の授業事例としても紹介されている、BOLTを使って多角形を書くプログラムです。正方形は簡単ですが、五角形、六角形と角が増えていくと、角度の計算をしなければいけないため、大人でも頭を悩ますプログラムになります。何度でも繰り返して試すことができるので、子どもが挑戦する場合はあえて正解を言わず、根気よく見守ってあげてください。

算数で角度を習い始める小学校中学年以降におすすめです。

こちらは、iPad Proでのプログラミング画面。「ブロック」で四角形を作るプログラムの一例です。正解はひとつではないので、スピードや秒数を変えることで、色々な四角形を作る事ができます。

実際に動かしてみた様子がこちら。開始時に、「シカクヲツクルヨ」とロボットらしくスピークをさせてみました。ちなみに、多角形のひとつの辺と辺の間に「ディレイ」という待ち時間を入れることで、慣性の法則で転がったBOLTの動きをいったん止め、次の動きにスムーズにつなげることができます。

BOLTをコントローラにしてゲームを楽しむ!

プログラミングをするだけでも十分に楽しいBOLTですが、実はコントローラとしても優秀なのです。BOLTをはじめとしたSpheroシリーズをラジコンのように自由に操縦できるアプリ『Sphero』には、ゲームコンテンツも収録されています。

BOLTを傾けることで自機が動くシューティングゲームなど、新しい遊びがいっぱい!

このように楽しいBOLTですが、難点をあげるとすれば、思いっきり動かしたい場合はかなり広い場所が必要な点です。体育館ぐらい広い場所が理想的ですが、自宅のリビングなどで遊ぶ場合は、スピードと秒数を下げて短い距離を進むように工夫してみてください。

ちなみにBOLTは防水仕様のため、絵の具をつけたり、水中で操作したりといったことも可能です。さらに、2台以上BOLTがあれば、赤外線通信を使って追尾なども楽しめることができます。Appleのイベントでも、このSpheroシリーズはよく使われており、地面にテープを貼って迷路を作り、その上を走らせるプログラミングに挑戦するワークショップなども開催されています。

ロボットであり、コントローラであり、スピーカーでもディスプレーでもある多機能ロボット『BOLT』。ぜひ、家族みんなで楽しんでみてください!

スフィロ『Sphero BOLT』
親子で遊べる ★★★★★
一人でも遊べる ★★★★
わかりやすさ ★★★
価格と導入コスト ★★★
相川いずみ