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2018.12.13
2018.12.13

こどものミライ主催「最新プログラミングトイを体験しよう」無料ワークショップレポート

2018年12月9日(日)、東銀座にあるD2Cホールにて「最新プログラミングトイ」が体験できる無料ワークショップが開催されたので、その様子をレポートする。

ワークショップ1:2018年10月に発売されたばかり!「Sphero BOLT」で未来の授業体験

小学4年生から6年生までが対象となったワークショップ1には、10月19日に発売になったばかりのプログラミング可能な教育向けロボットボール「Sphero BOLT」が登場。色や動きをプログラミングできる本商品は、専用のアプリ「Sphero Edu」に対応しており、遊びながらプログラミングを学ぶことができる最新機種である。

講師には、文科省のICT教育アドバイザーでありSpheroプログラミング教育の第一人者である平井総一郎氏を迎え、活気ある雰囲気のなかワークショップが進められた。まず、プログラミングがどういった性質のものなのか、子供たちがより直感的に理解できるよう、平井氏は子供たちにもなじみ深いブロックを使用したゲームを行いつつ説明。

二人一組になり、口頭の説明だけでブロックを同じ形に組み上げることを目指すゲーム。すべての動作を正しく指示しなければエラーが起こる点はプログラミングと同じである。

プログラミングがどのような性質のものか理解できたところで、いよいよ「Sphero BOLT」が登場。専用アプリがダウンロードされたiPadを使用し、好みの色を自由に選択。

タッチパネルで選択した色味がリアルタイムで「Sphero BOLT」に反映される様子に子供たちの目も真剣になる。

初めて触る機器に当初はとまどっていた子供たちも、設定した通りに動く「Sphero BOLT」が楽しくなってきたのか、基本的な説明と少しの練習ですぐに自由に動かし始めた。すぐあとに行われたレース式ゲームに参加できるほどの順応能力・吸収力の高さには驚かされるばかりである。

車の形をしたケースに「Sphero BOLT」をセットし行われたレース。

また、「Sphero BOLTを設定し、5m先のゴールにピタリと止めるにはどうしたらいいか?」というお題をクリアする為、自らホワイトボードを使用し、計算を始める子供たちも。

本番にチャレンジできるのは1度きり!自らの頭で考え、トライ&エラーを重ねる子供たち。

さらに、iPadに自由に描いた図の通りに「Sphero BOLT」を動かしたり、喋らせて道案内をさせたりするプログラムを設定することもできるように。

子供たち自身に考えさせることに重きを置いたワークショップであったため、子供たちも集中して話を聞き、最後の方では自然に頭を使い試行錯誤をしながら問題解決に取り組めるようになっていた。思った通りに「Sphero BOLT」を動かせたときは勿論のこと、上手くプログラミングを組めずに「あれ?何でこうなっちゃうんだろう?」と頭をひねっている時さえも楽しそうだったのが印象的であった。

最後に平井氏からは、「少しずつプログラミングで色々なことができるようになるのは嬉しいよね。勉強という形ではなく、これからも楽しんで学んでほしい。家にパソコンがある子は、画面上でプログラミングを組むことができるサイトもあるので、どんどんチャレンジしてみてください。」とメッセージをいただいた。

2時間という少し長めのワークショップではあったが、興味深く充実した内容が用意されていたため、子供たちも最後まで飽きることなく集中して取り組むことができていた。


ワークショップ2:おしゃべり上手なロボット「alilo-アリロ-」で遊びながらプログラミング体験

年中児から小学3年生までが対象となったワークショップ2には、6月1日に発売になったばかりのプログラミング可能な教育向けロボット「alilo-アリロ-」が登場。
「より早期にプログラミング教育を」の声から生まれた「alilo-アリロ-」は、初めてのお友達ロボットになるべく、3歳から遊べるように設定されている。丸く可愛い見た目からは想像しにくいが、加速度センサーやPSDセンサーが内臓されているほか、本格的なプログラミングを組んだり、声や描いたコースの通りに動かすことができたりするなど、高度な性能を備えている。そのほか、表情は10種類、言葉は56種類も記録されており、シチュエーションにあわせて子供たちとコミュニケーションを取ることができる知育ロボットである。

それぞれのパネルには様々な記号が描かれており、「♪(音符)」なら歌ったり、「矢印」ならその描かれている方向へ進んだりと、その記号の特性通りに「alilo-アリロ-」本体が反応し動く仕組みとなっている。細かな説明の前に一度自由にパネルを組み合わせて遊んでもらう時間が設けられ、それぞれの記号の特性を実際に触りながら感覚的に理解し進めることができていた。

パネルの特性がおおよそ理解できたところで、配布した問題集に取り組む時間が設けられた。しっかりと頭で考えてからパネルを使って検証する無駄のない行動には驚かされた。また、まずは子供の思うまま進めさせ、上手くいかない時にはなぜうまくいかなかったのか、自ら考える時間を与えていたご両親の姿もすばらしく、大変感銘をうけた。「初めてのプログラミングなのに、夢中になっちゃって…」と、我が子の真剣な姿・成長に驚きを隠せなかったご両親も。

スムーズにゴールまでたどり着けたときの喜びは格別!

2台を使って追いかけっこをさせて遊び始める。いつの時代も子供たちは遊びをより楽しく昇華させる天才だ。

1時間という時間はあっという間に過ぎ、「まだやりたい人~?」の掛け声に「はーい!」と多くの子供たちが元気に手を挙げ、片づけの時間ギリギリまで遊ぶ熱心さであった。

参加者インタビュー

本日参加してくれた10歳の「あんじゅ」くんと、6歳の「ひいらぎ」ちゃん兄妹。

今日はどうでしたか?

  • ちょっとむずかしかったけど楽しかった!(ひいらぎちゃん)
  • スクラッチと違う楽しさがあったけど、似ていたので慣れれば大丈夫だった。(あんじゅくん)

今後プログラミングを使ってしてみたいこと/作ってみたいものは?

  • こんどはなにか持ってかえれるものを作りたい。(ひいらぎちゃん)
  • いつか宿題を自動で終わらせてくれるロボットを作りたい。(あんじゅくん)

あんじゅくん・ひいらぎちゃんのお母さんからのコメント

今回でプログラミングのイベントに参加するのは3回目です。2020年にプログラミングが必修科目になるので、今のうちから習わせて少しずつ慣れさせようとしています。またこういったイベントがあれば参加したいと考えています。
プログラミングの必修化については、何の目的のために小学校の教育に導入されるのか、学校でどのように活用されていくのか、という点がいまいち伝わってきていないので、その辺りをより明確にしてほしいと思っています。

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今回のワークショップは、ゲームを通して終始楽し気な雰囲気の中で行われ、子供たちが積極的に参加し、楽しんでいたのが印象的であった。

多くの大人には馴染みがなく「難しい」というイメージがあるプログラミングも、今回のように小さなときから遊びながら身につけることができれば、苦手意識を持つ人が減るのかもしれない。2020年に向け、まだまだ課題が多いプログラミング教育だが、小学校の必修科目に導入される前に、より多くの子供たちに遊びながら楽しく触れ合えるプログラミングに出会ってほしいと願う。

こどものミライ