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2018.12.28
2018.12.28

Minecraftを用いた学校建設プロジェクト in 工学院大学附属中学校・高等学校

2018年12月14日に工学院大学附属中学校・高等学校にて実施された、Minecraftを用いた学校建設プロジェクトの発表会の見学および発表の審査をしてきたので、その時の様子や感じたことなどをまとめてみようと思う

全体の概要
発表会当日にこのプロジェクトを主導している、工学院大学附属中学校・高等学校の芦部洋一郎先生より、このプロジェクトの目的と内容が簡単に説明された。


工学院大学附属中学校・高等学校 高校 数学科教諭 芦部洋一郎先生

目的と内容は以下の通りである。
目的
1.MakeCodeを利用したプログラミングの学習
2.プロジェクトペースドラーニング(PBL)を通した、コミュニケーション能力, 創造力の育成

プロジェクトの内容
1.教育版のマインクラフト(Minecraft Education Edition)を利用し、学校(中学、高校)を建設する
2.学校には本当にない機能を一つ追加すること

発表会の様子
発表会では3グループの発表が行われた。グループ構成は3人のグループが2つ、1人のグループが1つであった。

グループ1
最初の発表は3人のグループであった。このグループで印象的であったのがレッドストーン回路の使用だ。このレッドストーン回路はMinecrfat上に様々な装置や仕掛けを作ることができる仕組みなのだ。このレッドストーン回路は論理回路として扱うことができ、コンピュータの基本である入出力の勉強にもなる。この機能を使って作られた、やきとりを作る仕掛けには驚かされた(これが学校にはない機能)。また、試行錯誤したことも語られ、論理回路の勉強に繋がっていると感じた。もう一つ、印象に残ったのが、学校に教室がたくさんあるが、あえて、全て作るのではなく、一つだけ作り、教室に入った途端に全て、そこへワープさせてしまう仕掛けである。この仕掛けは、ある意味、プログラミングの世界での関数に近いものを感じた。つまり、すべてが同じ内装の教室であるならば、内装に変更が生じた際、その一つを修正するだけ良いということである。

グループ2
次にグループ2であるが、こちらは1人のグループである。学校の再現度も高く、発表も非常に上手であった。印象に残ったのが活動にあたり「追加のテクスチャを使用しない等のルールを決めていたこと」と「Minecraft上で扱えるコマンドをMakeCodeを使用してプログラミングにより作成」したことである。このコマンドはMinecraft上のエリアを、指定の範囲コピーできるコマンドと、コピーした範囲を張り付けることができるコマンドである。1人のグループである上、建築をするのは非常に大変であるが、一つ目的の建物を建築してしまえば、同コマンドを使用していくらでも複製でき、作業の効率化を図っていた。非常にエンジニア的な発想であると感じた。

グループ3
最後の発表は再び3人のグループであった。このグループはMakeCodeやレッドストーンの使用は無かったもの(発表ではなかったが実際には使われていたのかもしれない)の、装飾のアイデアが非常に印象的であった。例えばロッカーを表現するのに旗のブロックを使用してみたりと限られた環境の中で、現実に近づけようとする発想力は目を見張るものがあった。また、当該学校にはグラウンドが二つあり、一つのグラウンドの地面をコピーし、もう一つのグラウンドを作成していた。彼らの考え方はソフトウェアの再利用の考えに近いものがあるのではないかと感じた。


発表会の様子

発表終了後
発表終了後に、今回、審査員として参加した安藤昇先生(佐野日本大学中等教育・高等学校)、川上尚司先生(武蔵村山市立第八小学校)、タツナミシュウイチ先生(明治大学)、三木良雄先生(工学院大学)、そして私を含めた5名から講評を行った。また、プロのマインクラフターでもあるタツナミ先生からは「好きなことで食べていく」というお話があり、学生たちも食い入るように聞いていた。
さて、この活動の中で学生はどんなことを学んでいたか?
私が思った範囲で列挙してみたいと思う。
・論理回路などのコンピュータの基本的な考え方
・グループ活動によるコミュニケーションの仕方など
・限られた環境の中で、仕様を実現していく方法
・MakeCodeを通じたプログラミングの基本
あたりではないだろうか。


プロクラフターのタツナミシュウイチ先生

尚、この後に安藤昇先生によるMinecraftとMakeCodeの講座や、学生がメンターとなり先生方にMinecraftとMakeCodeによるプログラミングを教えるという面白い光景も見ることができた。


MinecraftとMakeCodeを学生から教わる工学院大学の三木教授

今後も工学院大学附属中学校・高等学校のこの活動及び、学生さんの今後の活躍に注目をしていきたい。

最後に
この発表会に参加して、まず感じたことは学生のモチベーションが非常に高いことであった。この背景にはMinecraftという世界的にも有名なゲームの活用したことが挙げられるだろう。多くの学際的な研究においても学習活動にゲームの利用はモチベーションを維持するのに優れているとも言われている。
最後に私、個人の意見として受け止めてほしいのだが、Minecraftは学習用のツールではなくゲームであり、「遊び」なのだ。「ゲーム=悪」や「遊びならやらなくてもよいのでは?」という意見もあるだろうが、「ゲーム」、「遊び」だからこそ学べることも多くあることを知ってほしい。

齋藤大輔 齋藤大輔