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2019.2.27
2019.2.27

プログラミング教育推進校・文京区立湯島小学校にて公開授業を見学

小学校におけるプログラミング教育を推進する為、東京都教育委員会は2018年4月1日より2年にわたり、効果的な連携をはかるための実践研究を行っています。今回は指定された75の推進校より、文京区立湯島小学校にて2019年1月18日(金)に開催された公開授業を見学してきました。
2020年からのプログラミング必修化に向けて、どんな準備が進んでいるの?と疑問をお持ちの方は、ぜひ今回のレポートを参考にし、理解を深めていただければと思います。

平成30年・31年度におけるプログラミング教育推進校の詳細については以下をご覧ください。↓
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/designated_and_promotional_school/ict/programming_2018-2019.html


平日の開催にもかかわらず、数多くの関係者が見学へ訪れていました

12時45分から予定されていた「公開授業1」では、小学1年生から6年生までのクラスとすずかけ学級を加えた全12クラスの公開授業が見学可能となっておりました。授業が開始される30分前にはすでに数多くの関係者が集まってきており、公開授業の注目度の高さがうかがえます。公開授業開始のアナウンスが流れると、配布された会場案内図を見ながら各々自由に1階から4階に配置された希望のクラスを見学しに移動を開始。教科は国語や算数の他、図画工作や音楽、学級活動など幅広く設定されておりました。


各グループごとに組み立てたロボットを動かすプログラムを組む

5年1組と2組の合同授業では、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV」を活用し、高齢者在宅サービスセンターのお年寄りたちとの意見交換会に向けて制作準備をする授業が行われました。「ロボットの操作の仕方、スマイルポイント、相談したいことを簡単にまとめて練習する」という課題が出されると、グループごとに楽しそうに取り組み始めました。
何度目かの授業なのか、すでに各グループのロボットは形作られており、画面上に映し出されたプログラムを手慣れた様子で調整する生徒も。大人が思っているよりも、プログラミングは子供たちに浸透しているという印象を受けました。

周りにいる多くの大人たちに気を取られることなく、集中する子供たち

4年1組では、写真をネット上に公開する際に考えなければならない個人情報等について学ぶ道徳の授業が行われました。1人1台配布されたタブレットを使用しての授業では、「自分の寝顔」「自分の変顔」「自分の部屋」「たまたま写り込んだ自分」「自分の食事中」の5つの中からネット上に勝手に公開されたら嫌だなと感じる写真を各々選択し、理由を答えていきます。


今の時代、ネット上への写真投稿についてはしっかりと理解すべき問題です

実際に自らの立場に置き換えて考えさせることで、より深く意識に残し、今後ネット上に写真を公開する際に注意深く考えることができるようになる素晴らしい授業だと感じました。また、「自分が写真に写っていなくても、部屋の中の物から個人情報が洩れる心配があるから部屋の写真もアップしてほしくない」など、他の生徒による嫌だと思う理由を聞くことにより、自分は問題ないと思う写真でも、他人の写真をアップする際は細心の注意を払うべきだと意識させることもできていました。


積極的に授業に参加する姿が大変に素晴らしい

そのほか、これからの時代に重要となる「SNSのよりよい使い方を考える」授業や、カード教材を活用して作曲をさせる子供たちの興味をそそるような音楽の授業など、様々な授業が展開。
45分間という短い時間でしたが、驚くほど生徒が集中して授業を聞いており、子供たちが楽しめるようにと先生方が工夫された結果であるという印象を受けました。

5分の休憩を挟んで13時35分から開始された「公開授業2」では、4年1・2組、5年1・2組、6年1・2の合同クラスによる3つの授業が公開。自由にインタラクティブストーリーやゲーム、アニメーションを作ることができるプログラミング言語「Scratch」を活用し、東京の魅力を伝えるためのデジタルパンフレットを作製する授業や、同じくScratchを活用して湯島の街の魅力をマルチ・スクリーン画面にて宣伝するための授業などが行われました。
大人でも作るのが難しそうなデジタルパンフレットや動画のプログラミングを難なく組むことができていたことに大変驚かされました。


子供たちが理解しやすいようにイラストを使ったり、動画を起用した目を引く授業も

プログラミングが必修科目となる2020年に向けて準備が進んでいるのか?どのような授業を想定しているのか?と心配される方も多いかと思いますが、子供たちの事を考えた授業方法は着実に確立されてきており、少しずつではありますが、子供たちにも浸透してきているのだと感じました。

今はまだプログラミングの基礎を勉強している段階ですが、今後必修化されることにより、自然とプログラミング的思考・能力が身につくことが想定されます。そして、ますます激化するIT社会にて主力となり、今の子供たちが、テクノロジーが発展したより便利な未来を実現してくれるかもしれませんね。

これからも子供たちが継続してプログラミングについての学びを深め、私たちの未来に大いに生かされることを期待します。

こどものミライ