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2019.3.8
2019.3.8

寺子屋方式のプログラミングスクール「TENTO」を取材!

一人一人のペースや興味に合わせた指導スタイルで プログラミングを深く理解し自由に表現できるように

今、急速に増えてきているプログラミングスクール。
そんな中、まだ子どもにプログラミングを教える場所がほとんどなかった2011年に誕生し、独自の指導スタイルで子どもたちにプログラミングの楽しさを伝え続けている教室「TENTO(テント)」を取材。
TENTOのプログラミング教育の考え方や、通ってくる子どもたちの様子から、実はとっても奥が深い、プログラミング教室の魅力が見えてきました!

一人ひとりが自分のペースで学べる教室

学校が終わる夕方、TENTOの教室がオープンすると、子どもたちが集まり始めます。生徒の年齢は小学生から中学生までバラバラ。教室では複数の講師が待っていますが、授業開始の合図や作業の指示はなく、子どもたちは挨拶を交わすとそれぞれの席でパソコンを立ち上げ、慣れた様子で作業を始めていました。

作業中のパソコンのモニターをのぞいてみると、取り組んでいるプログラムは一人一人異なります。モニターを見ながら熱心に講師と話をしている子、お菓子を片手にキーボードを叩く子、おしゃべりを楽しむ子と、教室での過ごし方もさまざま。講師も生徒に溶け込んで、教室全体にどこかリラックスした空気が流れています。

プログラミングスクールというのは、先生の指示や説明を聞きながら学ぶものだと思っていたのですが……

さっそく何やら作業を始めた女の子に声をかけてみると、簡単なゲームのプログラムを進めているところでした。通い始めてまだ半年ほどだと言いますが、モニター画面にプログラミングの説明書と作業用のウインドウを並べて黙々とテキストを打ち込んでいく姿は、すでに若きプログラマーのよう。

かと思うと、元気に入室して席につくなりお菓子をぽりぽり。最近のできごとを講師に話しながらのんびりPCを立ち上げている男の子も。マイペースに見える彼は、実は大きなプログラミングの大会で入賞する実力者でした。見回すと、生徒の個性もいろいろ。そして、誰もが自分のペースでPCに向かっています。

こんなふうにテキストを打ち込んでゲームを作っていきます。

ハードルの低いビジュアル言語で楽しみながら構造を体得させる

取り組む課題を自由に選択できるというTENTO。とはいえ、小学生が初めてプログラミングにふれるときには、基本的に「スクラッチ」や「ビスケット」などの児童向けのビジュアル言語からスタートさせるそう。ビジュアル言語とは、例えば「何歩あるく」「向きを変える」などの簡単な指示が書かれたブロックを組み合わせて画面のキャラクターを動かすことができるような視覚的、直感的なプログラミングツールです。

さらに、このビジュアル言語でのプログラミングを、たっぷりと時間をかけて経験させるのもTENTOの特徴。その理由について、代表の竹林先生はこう話します。

「プログラミングの面白さは、自分が組み合わせた指示、書き込んだ操作が必ず効果を生むところ。『進む』と指示すれば進み、『ジャンプ』と指示すればジャンプします。そして、指示を増やし、組み合わせを変えていくことで、思い通りの動きをさせたり、新しい動きを思いついたり、バリエーションが広がっていきます。

実は、ビジュアル言語でもテキスト言語でも、細かい指示の組み合わせという基本的なプログラミングの構造は変わりません。だから、キーボードが打てなくてもプログラムが作れるビジュアル言語は、学び始めにぴったりなんです。タイピングを覚えることは子どもにとって大きなハードル。すると、そこで嫌になってしまう子も出てくる。ビジュアル言語ならそうした操作のストレスを感じずに、プログラミングの構造や面白さを体感的に習得していくことができます。」

TENTO代表の竹林 暁(たけばやし あきら)先生。

なるほど……。アルファベットがわからなくても、キーボード操作ができなくても、「プログラミングってこういうものなんだ」ということは学べるんですね。それなら苦手意識をもたずに楽しくできそうです。

「例えば外国人が日本語を覚えるときも、はじめは言葉の意味や文の構造を理解することが大事ですよね。それがわかれば、会話ができるし、ひらがなでも、ローマ字でも文章が作れる。ただし、ローマ字やひらがなだけで書かれた文章はとても読みにくい。だから、ある程度言葉が使えるようになると、次はカタカナや漢字を覚えたくなります。すると、長い文章も伝わりやすくなるし、表現が豊かになる。そして、もっと難しい本が読めるようになります。

プログラミングの習得はこの段階ととても似ています。ハードルの低いビジュアル言語で楽しみながらしっかり基礎を身につけておくと、タイピングも一生懸命覚えます。それで、テキスト入力でのプログラミングができるようになれば、もっと複雑なプログラムを作ることができて、やりたいことが広がっていくんです。」

指示の組み合わせや並べ方次第で複雑な動きやゲームを作ることもできるScratch。キャラクターや背景などのバリエーションも豊富で、子どもが飽きずに取り組める。

たくさんの選択肢から子ども自身がやりたいことを選ぶ

世界にさまざまな言語があるように、プログラミングにもたくさんの言語があります。ビジュアル言語でも、ゲーム性の高いものや、画面上で絵を描いたり手描きの絵を動かしたりするアート性のあるものなどがありますし、一見アルファベットや記号の羅列に見えるテキスト言語も多様で、それぞれに法則や特性が異なります。

TENTOでは多くのプログラミング言語を扱っているので、楽しめなかったり飽きてしまったり、もう少し難しいことに挑戦したいと思ったら、いつでも別の言語を試すことができるのだそう。もともと一人一人が好きな課題に取り組み、マイペースに進められる自由な指導スタイルだから、通うクラスを変える必要はありません。

たくさんの言語を扱っている理由についても、竹林先生にお聞きしました。

「子どもはみんな個性があって、興味も学びのペースも違います。さらに一人の子どもの中にも、ぐんと伸びる時期やゆっくり積み上げる時期がある。それのタイミングは子ども次第で、講師が決めることではありません。違うことがしたいと思った時、そこにいろいろな選択肢があれば、興味が尽きることがない。

だから、講師は『ここまでできるようになったら、次はこれをしなさい』といった強制もしません。何がやりたいか、どこまで挑戦するか、自分で決めるからこそ主体的に学ぶ気持ちがわいて、力がつくのだと思っています。」

子どもの個性に、教室が合わせてくれる。

プログラミングを通して学ぶ意欲や楽しみが育つ

ここまでお話を聞いて、TENTOは技術を身につけるだけでなく、好奇心を刺激し、やる気をバックアップする教育の場なのだなあと改めて感じました。一人一人の個性を尊重して、学びたい気持ちを育ててくれる。プログラミングを通して、子ども自身、たくさんの発見をするのではないでしょうか。

「プログラミング言語」と言われても馴染みがなければ、難しくて専門的な狭い世界に感じてしまうもの。でも、頭のやわらかい子どもたちには、興味の尽きない自由な世界のようでした。プログラミング教育の中身も子どもと同じように多様で豊かな可能性があることを、親も学ばなければいけないのかもしれませんね。

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