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2019.4.2
2019.4.2

約半年間の成果を発表!「こどものミライクラブ」の発表会が開催

カラッと晴れた2019年2月23日(土)、早稲田大学に「こどものミライクラブ」でこれまで通ってきていた狭山市と大田区の子どもたちが集まり、研究成果を発表する発表会が行われました。

今回発表を行ったのは狭山市から6チーム、大田区から3チームの計9チームの子どもたち。それぞれが各3~4人ずつの男女にて結成されておりました。

発表会が行われた早稲田大学のグリーン・コンピューティング・システム研究開発センター

広い会場はすでに発表を控える子供たちのほか、その保護者や関係者などで埋め尽くされておりました。本番直前の最終調整と準備に追われ、とても賑やかな雰囲気に包まれいたリハーサル時間。子供たちだけではなくお母さんたちもすでに知り合いなのか、楽しそうに談笑する姿が印象的でした。

たくさんの関係各位で埋め尽くされる会場

全てのリハーサルが終わると、発表の順番を決めるためのあみだくじが行われました。公平を期する為、各高学年チームの代表者が前に出て”あみだくじの線を選択する順番”を決めるためのジャンケンが行われました。

希望の順番を獲得する為、じゃんけんにも力が入ります

いよいよ、これまでの成果を発表する時がきました。まずは狭山市の低学年チーム「ホワイトクラウド」からの発表です。発表したのは図書館内の案内図表示システムで、任意のボタンを押すことにより該当する図書館のフロアを表示してくれるものです。「完成した時は嬉しかったです」と低学年らしい可愛い笑顔を見せてくれたのと同時に、「次は音声での案内も入れたいです」と、すでに改善案を考えているチームの子どもたち。今後どのようなシステムに進化していくのか、今から楽しみですね。そのほか、「まじめくん」チームは、感圧で電気が通る仕組みを利用し、不審者が侵入した際、それを検知して大きな音を再生して泥棒を追い払うシステムを発表。また、「ギャラドス」チームは、水が電気を通しやすい性質を利用して、畑の水やりタイミングを自動で教えてくれるシステムを発表しました。どの作品も、日常に寄り添ったもので、実際に商品化されたら便利な作品ばかりですね。

小さな子たちもしっかりと発表ができており大変立派でした!

15分ほどの休憩を挟んだあとに始まった高学年チームの発表では、1組目に大田区の「ラズパイゴリラ」チームが登場。害獣追い払いシステム「害獣ゴリラ」をプレゼンしてくれました。学校に出るネズミやカラスなどの害獣から学校の畑などを守る為に開発された本作品は、害獣が近づくと人感センサーで感知し、害獣たちの天敵である鷹の音声データを再生したり、水をかけたりして追い払える優れもの。また、その時の様子はカメラで撮影されており、どんな害獣が来たのか確認できるというから驚きです。

実演では、ネズミやカラスに扮した子どもたちがゴミを漁っていると、突如鷹の声がして「わぁ!逃げろ~!」と逃げ去っていく一コマを演じてくれました。可愛らしい害獣たちの演技に笑い声が上がる一幕も。プログラムの入力や、思った通りに動いてくれないという苦労があったとのことですが、しっかりと克服し、素晴らしい作品を作ってくれました。また、現状に満足せず、今後の目標として「害獣に”ここは怖いところ”と思わせ、もう来ないようにさせるような工夫をしたい」と、これからが楽しみになるような目標も挙げてくれました。

これまでの苦労と努力が見えるような複雑なプログラム

そのほか、同じく大田区の「OKM」チームは、ゴミ捨て場を荒らすカラスの撃退システム「カラスよけシステム」を、狭山市の「TKP」チームは、共有駐車場のどこのスペースが空いているかLEDライトを使って教えてくれるシステム「駐車場混雑解決プロダクト」を発表してくれました。また、川沿いのゴミが多いところに設置するゴミ箱の場所を教えてくれる&ゴミ箱がいっぱいになった際にはメールにて関係者にメールにて通知されるシステムや、人が近づくだけでエレベーターが来てくれて扉を開けてくれる次世代エレベーターシステムのほか、学年別のお勧めの図書を推薦してくれるシステムなど、多種多様なアイデアに溢れた作品が発表されました。

烏やネズミに扮して実演する子どもたちと、駐車場ライトシステムの説明

発表後には、保護者の方から「本当に商品化してほしい」という声や、「こういうシステムを入れてほしい」などの要望も上がっていたので、今後、ブラッシュアップを重ねて、商品化を目指してほしいですね。

また、今回の発表会を見に来てくださっていた狭山市と大田区の市役所や学校関係者の方々からは、「具体的な課題に着目して解決するための作品が多く素晴らしいですね。物事の見方は今後も活用してほしいです」というコメントをいただきました。

各作品への評価をしてくさださった関係各位

今回、実際に作品制作を進めた子どもたちからは、「楽しかった」「思ってた通りのものが大体つくれた」「意外と難しかった」など、様々な反応が出ましたが、「世の中をプログラミングで素晴らしくしたい」という、「こどものミライ」が目指してきた目標であり理想思念を口にしてくれる子どもたちもいました。

「ちょっとむずかしかったけど楽しかったよ!」と答えてくれた低学年チーム

最後に、カリキュラムの作成など、今回の企画に最初から関わってくださった早稲田大学の齋藤先生からは「素晴らしい発表で、聞きながら泣きそうになりました。子どもたちには難しいことをやってもらうことが多かったですが、プログラミングのことは嫌いにならないで欲しいですし、これからもいろんなことにチャレンジしてほしいと思っています。」とコメントをいただきました。

最後にみんなで集まって「ハイ、ポーズ♪」

どの作品も、「こんなのがあったらいいな」や「困っていることを解決したい」という思いから発明された素晴らしい作品ばかりで、大人顔負けのアイディアや子どもたちの能力の高さに驚きを隠せませんでした。中には、とても複雑な配線やプログラムもあり苦労も多かったようですが、最後まであきらめずにチームで協力して完成させ、発表にまでこぎつけた子どもたちに、心から拍手を贈りたいと思います。今後の課題がすでに見えてきているチームもあるということで、今回の作品のアップデートは勿論、新たな企画の創出など、子供たちにはこれからも開発と発表を楽しんで続けてくれれば、と切に願っています。

こどものミライ