世界的なプログラマー不足の波を受けて、欧米各国ではいち早くプログラミング教育に取り組んできました。日本でも、遅ればせながら2012年より公立中学校で必修化されるなど、世界的な流れに追いつくべく、プログラミング教育の導入が進んでいます。
そして、それは日本だけではなく、アジア各国でも同様です。ここでは韓国やシンガポールなどの各国で取り組まれているプログラミング教育について紹介したいと思います。
韓国では日本より先んじて、2007年に中等教育(中学・高校)においてプログラミング教育を開始しました。中学校ではアルゴリズムやフローチャートの設計から実装やプログラミング言語の概念理解に重きが置かれており、高校ではプログラミングおよびアルゴリズムの応用といった教育内容が用意されています。
ただ、プログラミング教育を実施している「情報」科目が大学入試科目に存在しないため、子どもや保護者からは軽視される傾向がありました。こうした状況を打破するため、2014年には初・中等教育におけるソフトウェア教育の重視を打ち出しました。2015年3月から中学校、2017年3月からは初等学校で、「ソフトウェア」が正規の教育課程として設けられることになります。
情報通信産業で世界トップクラスにあるシンガポールですが、プログラミング教育という観点ではそれほど際立った取り組みがあるわけではありません。初等教育では一部の学校で取り組まれている程度で、4年間の中等教育でも一部の学校の技術系コースでしかプログラミング教育が実施されていない状況です。
しかし、2014年にはインターネット産業を担う国家機関であるInfocomm Development Authority of Singapore (IDA)が公立学校にプログラミングの授業を導入し、生徒に対してコードを書く機会を提供することを検討することを発表しています。
香港では中学校及び高等学校で、プログラミング教育が導入されています。中学校段階で変数、演算子、フロー制御文やループなど基本的なプログラミング文法が教えられており、言語もLOGO、BASIC、Pascal、Java、C++、Visual Basicなど多岐に渡っています。
一方で、中学校と高等学校のICT科目の内容に乖離があることが問題点として指摘されています。中学校ではComputer Scienceが必修であるにもかかわらず、高校ではICTを卒業認定科目として選択する生徒が全体の9.7%にとどまっている状態です。そのため、香港の教育局では中学校におけるプログラミング技術の向上を目標としてカリキュラムのテコ入れに動いています。
インドでは、初等教育のかなり早い学年から段階的にプログラミングを学べるように、カリキュラム編成が行われています。初等教育の3~5年生ですでにLOGOを用いた簡単な図形描画が組み込まれ、6~9年生(日本の中学校に当たる)ではQBasic、Visual Basic、C++、Javaの基本技術、10~12年生(日本の高校に当たる)ではHTML、XML、C++を教えています。
専任指導者の養成と質の向上を目的とした研修プログラムも、国家レベル・州レベル・民間で存在しています。
アジア各国のプログラミング教育のトレンドを見ると、日本は少し遅れているように思います。
これからプログラミング教育の本格導入に向けて、ただ導入するだけで満足するのではなく、プログラミング教育の充実に向けて、教育者や教育環境、文化形成においても投資を続けるべきなのではないでしょうか。こうした施策に対する大胆な投資が、これからのIT化・グローバル化する世界の中で日本が存在感を示すための手段の一つになるはずです。
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