「教育の情報化ビジョン」が2010年に発表されて以降、教育の現場ではパソコンやタブレット、電子黒板を始めとする情報端末を活用したICT教育が、全国の学校で実施されています。さらに、2020年から初等中等教育にプログラミング教育の必修化が発表され、今後さらに教育の情報化が進むことが予想されます。
しかし、日本ではICTの言葉が未だに定着せず、ICTをITと同じ意味で解釈されてしまう傾向があります。
今回は、ICT教育の目的とプログラミング教育の目的の違いを明確にした上で、これからの起こる教育の情報化について解説していきたいと思います。
ICT教育は、情報端末を通じて教師と生徒のコミュニケーションを円滑に図り、生徒の学習意欲に寄与することを目的としています。学習スタイルとしては、教師が多数の生徒に対して一斉に指導する「一斉学習」や個々の習熟度に応じて学習する「個別学習」がメインですが、ICT教育が本格的になるにつれて「協働学習」というスタイルが生まれることになります。
「協働学習」とは、タブレットや電子黒板などの情報端末を用いてグループで意見や考えを共有し、話し合いを通じて思考を深める学習スタイルです。これからの社会で必要とされる表現力やコミュニケーション能力などの育成が期待されます。
次世代に求められるスキルに、ITを駆使する能力としてプログラミングが求められています。そのプログラミングは問題解決力や論理的思考、創造力の育成にも繋がることから、義務教育の必修科目として導入される運びとなりました。
2020年には、東京オリンピックが開催されます。オリンピックが開催されるとなると、諸外国から大勢の人たちが日本を訪れることになります。その際、最先端のIT技術を導入したおもてなしはもちろん、サイバーテロなどを防ぐための対策も必要となります。それらを実行するためには高度なIT技術を持った人材が求められるので、人材育成を図ることもプログラミング教育を導入する目的の一つです。
オリンピックに限らず、地方創生やこれからの日本の発展のためにはさらなるIT活用がポイントになります。そのためには開発者のみならず、様々な業界・分野の方のITに対する理解が必要です。プログラミング教育を導入することで社会全体のITスキルの底上げを図る目的があります。
文部科学省は2010年、「教育の情報化ビジョン」を公表しました。その中で、21世紀を生きる子供たちに求められる力として「生きる力」とともに「情報活用能力」を挙げました。授業の在り方はもちろんですが、校務の情報化なども進められています。プログラミングに関しては、プログラミングの科目が増えるのではなく、「総合的な学習」などに含まれる形になります。
ICT教育は時代に合った教育で生徒にとっても有意義な学校生活となることが予想されます。しかし、ICT教育における環境整備(教材、指導法、教員の教育など)には、まだまだ課題があるのが現状です。プログラミングのようにトライ&エラーを繰り返し、一つずつ課題を解決していくことがICT教育、そしてプログラミング教育を始められるきっかけとなるのかも知れません。
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