今後もプログラミング教育の流れは加速していく中で懸念されていることは、指導者や教師の対応です。プログラミング教育において、教師はどのように対応していかなければいけないのでしょうか。この記事では、プログラミング教育義務化の流れが教師に与える影響を3つ紹介したいと思います。
すでに中学校や高校ではプログラミング教育が行われていますが、教える側にある教師の絶対数と指導経験について、問題が浮き彫りになっています。
高校における情報科目が設置されたのは2003年と15年近く経ってはおりますが、免許を取得した教員はまだまだ少ないのが現状です。中学校教育でも数学や技術の教員が、講習に参加して指導免許を取得している状況で、情報教育の専任教師の絶対数が少ないのが現状です。
情報系の大学や大学院に進学したプログラミングのエキスパートが、指導者を目指すキャリアパスがあればベストなのですが、実際のところはそうした人材はIT企業や研究者を目指すのが大半です。
この状態で、小学校にまでプログラミング教育が導入されたとしても、同様の問題、もしくはそれ以上の混乱が発生するのは明らかです。今時点からでも教員の教育や新たな指導者の育成も含めて、課題だらけであることは間違いありません。今後は、さらにプログラミング教育の指導方法における教育内容を具体的に詰めていく必要があるでしょう。
このように、プログラミングを教えられる教師の数の不足傾向はしばらく続きそうですが、その一方で、子どもに対するプログラミング教育教材の発達により、教師の教える内容にも変化が生じると思われます。
これまでのプログラミング教育というと、英語や数字の混じった特定のプログラミング言語を伝えるという無味乾燥なものになりがちでした。今後は、子どもたちが興味を持てるようなビジュアル言語、概念伝達重視のプログラミング教育が広がっていくことが予想されます。
教師は、何かしらのプログラミング言語に精通しなければならないと思い込むのではなく、最新の教材を通じて、プログラミングの考え方を理解し、子どもの興味を引き付ける形で授業を展開する必要があるのです。
従来型の教育では、一人の教師が教室の前に立って知識を教える、という一斉学習がメインとなっていました。しかし、プログラミング教育においては子どもたちが自分で、あるいはグループで教え合いながら、自発的に学習する姿勢がないと授業として機能しません。
したがって、教師の役割は変化せざるを得ないでしょう。教師は最低限の知識と課題を提示して、あとは子どもの学びをサポートして導く「ファシリテーター」としての役割が大きくなると思います。「自発的学習」や「協働学習」という言葉自体は以前から教育界に存在していますが、プログラミング教育を進めていく時は、そうした学び方が大前提となります。
つまり、教師のあるべき姿というものが、プログラミング教育の義務化や進展に伴って変わっていくことが予想されるのです。
プログラミング教育の義務化によって、しばらくは教員数や指導スキルの不足が問題視されることは確実です。しかし、そうした問題点によってプログラミング教育を避けてしまうのではなく、むしろ子どもたちに向けて新しい学びの扉を開く一つのきっかけとするべきです。プログラミング教育は、ただ「IT人材の育成」のために行われるべきものではなく、むしろこれまでの教育概念そのものを根本から変える可能性を持っていると思います。
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