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2016.10.14
2016.10.14

政府が推進する国際バカロレア認定校になるためには?

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国際バカロレアについての第4回目は「政府が推進する国際バカロレア認定校になるためには?」です。
認定校になるためのハードル、そしてそこで教育を受けたいとする生徒と現状の制度が生み出す乖離もまだあるようです。
*前回の記事を読んでない方はコチラ↓
1回目「グローバル人材の育成に注目されている、今話題の国際バカロレアとは?
2回目「具体的に何をするの?国際バカロレアのプログラム内容
3回目「日本における国際バカロレアの取り組みについて

政府が掲げる目標と国際バカロレア認定校の現状
国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)の「国際バカロレア資格」は、世界20,000校以上の大学入試の受験資格(推薦入試資格)として採用されている。
日本では、2013年に政府は日本再興計画の一環として国を支えるグローバルな人材育成を掲げ、「2018年までに、国際バカロレア認定校を200校にする」という目標を打ち出したが、現時点で、国内の国際バカロレア認定校は39校、そのうち日本の一条校(日本の学校教育制度の要件を満たしている学校)は15校に留まっているのである。

200校という目標に対して大幅な乖離がある理由として3つの理由がある。
まず、第一に掲げられるのは現行の日本の学校の教育科目と、IBが定めている教育カリキュラムとの大きな相違である。
知識注入型の日本の教育科目に対して、ディスカッションを交えながら考え、答えを探り当てていくIBの教育カリキュラムをどのように統合もしくは代替していくのかが難しい。
第二にIBが認める専任教師の確保が思うように進まない点が挙げられる。
第三には申請から認定までに時間がかかり過ぎるという点である。
以上、3つの大きな課題が国際バカロレア認定校推進の、大きな妨げになっているのではないだろうか。

国際バカロレア認定の審査要件

国際バカロレア認定校になるまでの過程は、どのように進んでいくのだろうか?次に大まかなステップと費用を下記に挙げてみる。

このように、1の「関心校段階」から3「認定校段階」になるまでには、手続きの多さと費用、そそれにかかる時間と労力がある程度必要とされる。

現状の日本の中学・高校教育で懸念される事

例えば、ある中学校が国際バカロレア認定を申請し、認定されたとしよう。
国際バカロレアの教育カリキュラムに沿って授業が行われ、生徒は無事過程を終了した。
しかし、生徒の進学したい日本の高校(又は大学)では、国際バカロレアのカリキュラム修了に関して、何ら入学時の資格として認められていない。
そうなれば学校側も生徒も、国際バカロレアのカリキュラムに加え、従来科目を履修する必要が出てくるのだ。
となると、「入学資格として認められる海外に留学してしまおう」というケースも出てくるであろう。
これでは、優秀な人材の流入に繋がり、本末転倒な結果を招いてしまうのでは?という意見もある。

日本の学校制度の変化も求められている

さきほども述べた通り、中学、高校、大学に関わらず、一体的な教育制度の見直しが行わなければ、国際バカロレア認定校はもとより、政府が推奨する「日本を支えるグローバルな人材育成」は掲げただけで終わってしまう。
日本の学校・教育が「ガラパゴス化」しないためにも、国や自治体が先頭に立ち、教育制度の見直し、専門教員の育成、費用の助成など、方向性を具体的に決定しなければ、実現する事は困難と考えられる。

こどものミライ