IoTがIT業界のみならずビジネス全般でバズワード化する現在、システムやプログラミング知識の有無がキャリアに及ぼす影響は無視できないものになってきています。
こうした社会の動きと呼応するように、プログラミング教育を義務化する動きが進んでいます。こうした動きは、子どもの将来にどのような影響を及ぼすのでしょうか。この記事では、3つの可能性を指摘したいと思います。
プログラミング教育によって培われる能力は、グローバルに活躍するために必要なものばかりです。
例えば、プログラムを組むためには実現したい処理とその処理までのプロセスを明確にする必要があります。この過程を繰り返し経験することで、論理的に考える能力が身につきます。何が問題なのか、その問題を解決させるためにはどのような道筋が必要なのかを考えられるようになります。
プログラミング教育が義務化され多くの子どもがそれを学ぶことで、国際的に活躍できる人材が増えていく可能性があるでしょう。
現在、IT人材の需要は高まるばかりで供給が全く追いついていません。その結果、日本だけではなく、世界的にプログラマーやシステムエンジニアの人材不足が叫ばれております。だからこそ、欧米ではプログラミング教育が一足早く普及し始めているわけです。
こうしたIT人材の需要増加という現象を個人レベルで捉え直すと、プログラミング知識を身につけることで、就職や雇用条件においてメリットが生まれることにも繋がります。
将来的にAIやロボット産業が発展を遂げると、単純労働においては雇用が奪われる可能性も指摘されています。そうなれば、AIやロボット産業を支える開発やメンテナンスに従事するプログラマーやエンジニアの需要はますます高まることでしょう。そういう意味では、プログラミングを学ぶ機会を得られるということは、キャリアの選択肢を増やすきっかけになると思います。
プログラミングは、創造を具現化させるツールとしての働きもあります。そのためプログラミングが求められているのは、決してビジネスの括りだけではないのです。プログラミングを通じて、個人の創造性や創作物の発展を後押ししてくれる存在でもあります。
それによって、社会にも良い影響が生まれるようになります。これまでは大人主導の社会作りでしたが、子供の創造力やアイディアが形となって実現するようになると、そこには大人子供は関係ありません。良いアイディアは良いものとして、社会に受け入れられるようになります。豊かな創造力が、豊かな社会作りの礎となるのも、遠くはないでしょう。
プログラミング教育が推進される流れは、これからも止まりそうにありません。プログラミング教育によって、将来グローバルに活躍する人材や日本の産業を支える人材は生まれてくるでしょう。しかし、プログラミング教育の義務化に当たっては、教師やノウハウの不足などの問題点もあり、まだまだ不透明な部分が多いのも確かです指摘されています。また、プログラミング教育よりも先にインターネットリテラシーに関する教育のほうが急務だという意見もあります。
プログラミング教育の一般化によって新たな可能性が開けると同時に、プログラミングを通じて悪用する(もしくは悪用される)ことのないようなルールと社会作りを、今の大人が早急に作っていかなければいけないのかもしれません。