
2024年6月に設立されたBio Engineering Capital(BEC)は、医療AI/DXと再生医療領域に特化した投資を通じて、次世代の医療エコシステム創出に取り組んでいます。
「Sailing with Bioengineers(バイオエンジニアと共に帆走する)」というビジョンを掲げ、同社は最先端技術を持つ起業家たちと共に、医療の未来を切り拓く活動を展開しています。掲げるミッションは「ヘルスケアデカコーンを創出する」。その実現に向けて、日本と世界を橋渡しする独自のアプローチを進めています。
代表取締役の島原佑基氏は、日本の医療業界におけるAI活用とDX化を推進してきた第一人者です。2014年に東京大学の研究室メンバー3名でエルピクセルを創業し、医療・創薬分野の画像解析AI事業に取り組みました。
富士フイルム、オリンパス、キヤノンメディカルなどとの資本業務提携を実現し、日本の医療AI発展に貢献。深層学習を活用したプログラム医療機器として国内で先駆けて薬事承認を取得(2019年)したことで、医療AI分野における新しい道を切り開きました。
取締役会長の谷家衛氏は、約35年の金融キャリアを有し、25年以上にわたりベンチャーファンドの設立やエンジェル投資を通じてスタートアップ創業支援に携わってきました。エンジェル投資家の活動のみならず、Tudor Capital Japanをはじめ、様々なファンドで大きなリターンを出してきた実績を残しています。
取締役の森遼太氏は、生命科学の研究経験に加え、AI技術を活用したソリューション開発から起業、IPOまでの経験を持ち、科学的知見と事業推進の両面から支援できる人材です。
BECの投資ポートフォリオは、医療AI/DXに70%、再生医療に20%、その他関連領域に10%という配分で構成されています。投資先ステージは、カンパニークリエーションを含むシード/アーリーが70%、フォローオンを中心にミドル/レーターが30%。海外投資にも取り組みます。
医療AI/DXは成長産業として注目されており、世界のヘルスケアAI市場は2030年までに1,880億ドル規模に達すると予測されています。日本でも2030年には1兆円市場(CAGR42.4%)になると見込まれています。
再生医療市場も、2022年から2027年にかけて27.2%のCAGRで成長し、2027年までに406億ドルの市場規模に達する見込みです。AIや幹細胞技術の発展により、再生医療の実用化までのスピードが加速しています。
2025年4月、BECは米国のAI駆動型VC「Vela Partners」と戦略的提携を締結しました。Velaは世界初のAI駆動型VCとして、2017年からVCの全プロセスをAIに置き換えており、運用資産額は40百万ドル以上に上ります。
Google出身者らとオックスフォード大学を中心としたトップレベルのAI人材ネットワークを有し、定量的なアプローチでスタートアップを評価。シミュレーション上、Tier-1のVCよりも遥かに高いリターンを見込めます。
この提携により、日米の最先端医療AI技術の架け橋となることが期待されています。
BECは2024年9月、医療AIメディア「The Medical AI Times」を子会社化し、Podcast番組の配信も開始しました。AI(人工知能)を活用した医療・医学に特化した専門ニュースサイト・Podcastとして、現役の医師や研究者が執筆および監修し、海外での医療分野のAI活用事例についての最新情報を提供しています。
人間ドック予約サイト最大手のmrso.jpを運営するマーソ株式会社と資本業務提携を締結し、全く新しい健康事業を開発中。AIをフル活用して健康不安の解消や不安に対する思考リソースの解放、検査の信頼性向上などを目指しています。
また、2025年6月には地域ヘルスケア連携基盤とも資本提携を締結。都市部と地方の医療格差解消に向けて、AIやDX技術を活用した質の高い医療サービスの提供を進めています。
BECは東京科学大学(旧東京医科歯科大学)との連携を通じて、起業家支援教育を実施し、起業を志す研究者・医療従事者らと事業を興しています。適切な技術品質の判断に加え、初期的なPoC・共同研究先として活用することで、ソーシング及びバリューアップに貢献しています。
BECの大きな特徴は、医療/ヘルスケア領域の知見を有する専門家による徹底的なハンズオン支援です。研究・製品開発、財務・資金調達、法規制対応、営業・事業開発、ロビー活動、人材採用、経営者・組織、広報、ブランディング、法務など、あらゆる面でスタートアップを支援しています。
BECは、国内最大級のPEファンドであるユニゾンキャピタル傘下である株式会社地域ヘルスケア連携基盤(CHCP)と連携し、を同社の有する病院ネットワークや訪問診療、調剤薬局など、地域に根ざした医療資源に関するノウハウを活用しています。
これにより、スタートアップの「研究開発・実証」から「事業化支援」「販売支援」「ユーザー導入」まで、一貫したサポートを提供を目指します。病院現場での早期検証と臨床導入、グループ薬局や訪問診療ネットワークを活用した展開支援、医療現場の知見を活かした実用性の評価、技術が実際に患者に届くまでのプロセスを後押しすることで、”ハンズオン型VC”としての独自の価値を発揮しています。
日本においても医療データやAIの活用に向けて、政府がルールやガイドラインの策定を急ピッチで進めています。2018年の次世代医療基盤法による医療データの二次利用基盤整備、2022年の「医療DX推進本部」設置と全国医療情報プラットフォーム創設、診療報酬改定によるAI医療機器の保険適用など、医療AI/DXの導入が加速しています。
代表の島原氏は、厚生労働科学研究費事業(2021〜23年)にてデータ加工ガイドラインを作成し、創業した医療AI推進機構(MAPI)は次世代医療基盤法に基づき大量の医療データを収集・管理することを目指しています。また、AI医療機器協議会(発起人・理事)、日本医療ベンチャー協会(幹事)、2025年現在も複数の厚生労働省関連の研究班で活動し業界活動に貢献する日本医用画像システム工業会(元常任理事)など、代表・島原氏の業界ネットワークを活用し、医療現場との共創を推進しています。
BECが進める取り組みは、日本の高度な研究・医療インフラと起業資源を結びつけ、世界で戦えるヘルスケアスタートアップを育成することを目指しています。
医療AI/DXは成長産業であり、再生医療は日本と世界をまたがり成功すればデカコーンとなる可能性を秘めています。日本には東京科学大学を含め多くの再生医療分野のシーズが眠っており、これらを事業化していくことで、日本発の医療イノベーションを世界に発信できる可能性があります。
「Sailing with Bioengineers」というビジョンのもと、医療の未来を変える航海へ。BECの挑戦は、次世代を担う子どもたちにとっても、より健康で希望に満ちた未来への道筋となることでしょう。
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