この夏、大阪府箕面市の勝運の寺「勝尾寺」で、とてもユニークな実験が行われます。8月16日・17日の2日間、80万坪の広大な境内が「こどもが運営する国」へと姿を変えるのです。
一般社団法人CePiCが主催する「第4回 こどもの都市【まち】Mini mi~no」。今年は「こどものまち MiniCity EXPO2025」として、全国・世界から500人の”こども市民”が集結し、未来の社会について真剣に議論し、実践します。
このまちの市長を務めるのは、小学5年生の平山千里さんです。「みんなの意見をちゃんと聞いて、ひとりひとりが大切にされる街をつくりたい」と語る彼女の言葉からは、大人顔負けのリーダーシップと優しさが感じられます。
子どもたちは市民登録を行い、ハローワークで仕事を探し、独自通貨「み~の」を稼ぎます。そして、その給料から税金を納め、税金の使い道について議論するのです。これは単なる職業体験を超えた、社会の仕組みを根本から学ぶ貴重な機会といえるでしょう。
特に注目すべきは、参加する子どもたちの多様性です。中学3年生でAIを駆使した起業部長を務める近藤にこるさんは、「AIという武器を手に、自分の”好き”や”想い”を形にする」と語り、テクノロジーを通じた未来創造の可能性を示しています。
また、ウクライナ出身のザホロドニー・ダニエル元副市長は、「異なる民族や国籍間をつなぐ橋をつくることが重要」と述べ、グローバル化する世界での共生の意義を訴えています。避難している子どもたちが日本社会に溶け込み、新しい環境で社会の一員として貢献する姿は、多文化共生社会の理想的なモデルといえるでしょう。
「税金ってなんで払うの?」「このお店、どうやったらお客さん増えるかな?」「災害にどう備えるの?」
子どもたちが発する素朴な疑問は、大人にとっても新鮮な気づきをもたらします。複雑になりがちな社会の仕組みを、シンプルで本質的な視点から見つめ直すことで、私たちは忘れかけていた大切なことを思い出すのです。
厳かな寺院の境内に、子どもたちが運営するハローワーク、銀行、税務署、ゲーム店、飲食店が立ち並ぶ光景は、まさに非日常的な体験です。1300年の歴史を持つ勝尾寺という場所で行われることで、過去と未来、伝統と革新が美しく調和した学びの場が生まれています。
今回のイベントでは、「第3回世界こども地域合衆国サミット」と「第15回こどものまち全国大会」も同時開催されます。全国・世界各地の「こどものまち」の代表が集い、「どんな未来を創りたいか」をテーマに熱い議論を交わします。
KidZania創業者や箕面市長など大人の代表と並び、多彩な子どもたちが未来を語る姿は、私たちに大きな希望を与えてくれるでしょう。
このイベントが示すのは、子どもたちの可能性の無限さです。彼らは大人が作り上げた既存の枠組みにとらわれることなく、自分たちなりの答えを見つけ出そうとします。
「ひとりひとりが大切にされる街」「みんなが協力できる街」という平山市長の理想は、私たち大人が目指すべき社会の姿そのものかもしれません。
2日間という短い期間ですが、子どもたちにとっては人生を変える貴重な体験となることでしょう。仕事をして稼ぎ、税金を納め、社会の課題について議論する。そこで得られる学びは、教室では決して体験できない生きた知識です。
「こどものまち」から巣立った子どもたちが、将来どのような社会を築いていくのか。今回のイベントは、そんな未来への期待と希望に満ちたプロジェクトなのです。
私たち大人ができることは、子どもたちの挑戦を温かく見守り、支援すること。そして、彼らから学ぶ姿勢を忘れないことかもしれません。
開催概要
この記事は、一般社団法人みんなの地球公園国際コミュニティー連絡協議会のプレスリリースを基に作成しました。