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2018.8.31
2018.8.31

ロボットからドローンまで!無料で20種類のプログラミング体験ができる「TEPIA 先端技術館」

「プログラミングには興味があるけれど、どんな教材があるかわからない」
「色々な教材を試してみたい」
そんな方にうってつけの、プログラミング教材を存分に楽しめるスポットをご紹介します。

場所は東京青山にある「TEPIA 先端技術館」。一般財団法人高度技術社会推進協会によって設立された常設展示のミュージアムで、文字通り、機械や情報などの先端的技術を展示、体験できる場となっています。

TEPIA 先端技術館。入口からロボットがお迎えをしてくれます。

中でもおすすめしたいのが、2018年3月からオープンした常設展示の「プログラミング体験エリア」。このエリアでは、ロボットやドローンなど20種類以上のプログラミング教材が用意され、すべて無料で体験することができるのです!

人気のプログラミング教材が自由に体験できる「プログラミング体験エリア」。

さらに、8月26日までは「TEPIA 夏休みイベント」として、通常の展示にくわえて、クイズラリーやプログラミングワークショップなどが開催されています。ワークショップは期間限定で事前申し込みが必要ですが、プログラミング体験エリア自体は毎日開催されているので、いつでも楽しむことができます。

親子で夢中になるプログラミングワークショップ

今回は夏休みイベントのひとつとして開催されていた「親子で参加!木製ロボット”キュベット”ワークショップ」を取材してきました。

「キュベット」は、イギリス生まれの木製のロボットで、パソコンやタブレットを使わずにプログラミングの基本を学ぶことができる、”アンプラグド”のプログラミング教材です。木製のボードにカラフルな命令ブロックをはめて、キュベットを大きな布製のマップの上を走らせるプログラミングを簡単に組むことができます。“モンテッソーリ”の思想を取り入れ、幼児から楽しめる優れた教材ということで、すでに日本国内でも幼稚園やアフタースクール等で活用されています。

床の上に広げられた大きな「ワールドマップ」には、お城や木などの絵が描かれており、子ども達は、かわいいキュベットに夢中。先生の話を食い入るように聞き、「前へ進む」「右へ進む」といったカラーブロックを考えながら並べていきます。思ったように動くと思わず「やったー!」といううれしい声をあげていました。

1時間のワークショップが終わったあと、体験した保護者からは「画面の中ではなく、パソコンを使わなくても、実際のものが動くというところがいい」という感想も語られていました。

他にも、たくさんのロボットが展示されており、その数はなんと20種類! 様々なプログラミング教材やスマートトイを見てきた筆者ですが、ここのラインナップには正直驚きました。定番のものから、今とても注目されている教材までそろっています。すべては紹介しきれないので、気になった教材を何点かご紹介していきます。

低学年向けなら楽しく遊べるものを

会場には小さい子どもでも楽しめるよう、床のシートの上に設置されたコーナーがあり、幼児から遊べるロボットがそろっていました。

幼児が遊びやすいロボットがそろう一角。

パソコンやタブレットなしに遊べるアンプラグドの教材としては、「キュベット」のほかにも、ダンボール製ロボット「PETS」、いもむし型のロボット「コード・A・ピラー」なども展示されています。

赤ちゃんや幼児のおもちゃを長年手掛けているアメリカのフィッシャープライスが開発した、3歳から遊べるロボット「コード・A・ピラー」。

球をくっつけたユニークな形のロボット「Dash Robot」。木琴を取り付けてプログラミングで演奏させることができます。

組み立てる楽しさも体験したいならブロックロボットがおすすめ

自分で一からブロックでロボットを作ってプログラミングを楽しむ「ブロックロボット」としては、ソニーから発売中の「KOOV」が展示されていました。こうしたブロックロボットはなかなか体験できる機会が少ないので、自分で動かして遊べる場所があるのはとても助かります。

ソニーから発売されたロボットプログラミング教材「KOOV」。残念ながら、ブロックの組み立てはできませんが、モーター制御のプログラミング体験が用意されています。

こちらは、組み立て不要の完成型ロボット。AI搭載のコンパクトな「COZMO」は、カメラ機能が搭載されており、ラジコンのように操作できるほか、プログラミングで動かすことも可能です。

全体的にインストラクターは少なめで、先生に教えてもらうというより、「自分が興味のあるものを自由に触って体験する」ことこそがTEPIAの醍醐味です。ただし、混雑時には「一人10分」というルールが設けられており、できるだけたくさんの体験ができるように工夫されていました。

また、ひとつひとつの展示には、「ここでどんな体験ができるのか」ということと、プログラミングの方法がわかりやすく書かれたマニュアルが用意されているので、初めて体験する教材でも、マニュアルを見ながら進めることができます。

すべての教材にマニュアルがついているので、初めて触れる教材でも簡単にプログラミング体験が可能です。

大人気のドローン教材も楽しめる!

体験エリアで一番人気はドローンでしたが、これもプログラミング教材のひとつ。コーナーの一角では、プログラムを走らせてドローンを飛ばす体験ができます。なかなかうまく飛ばなくても、何度も挑戦し、楽しそうにトライする子ども達の姿が印象的でした

小型のドローン「CoDrone Lite」。ドローンもただ飛ばすわけではありません。プログラミングで数値を変えて、上手に円柱の上に乗せる方法を模索していきます。

その横に設けられた大きなコースは、ボール型ロボットとして人気の「SPRK+」用。iPadにインストールされたプログラミングアプリ「Sphero Edu」を使って、SPRK+を自由に走らせることができます。「Sphero Edu」には、3種類のプログラミングが用意されているので、子どもの興味や理解に合わせて挑戦できるのも利点です。

人気のボール型ロボット「SPRK+」のコース。これだけの広いスペースはなかなか自宅では用意しづらいですが、この会場なら思う存分に遊べます。

じっくり取り組めるichigojamコーナー

エリアの一角に設けられていたのが、マイコン「ichigojam」のコーナーです。音楽演奏やLEDなど4種類のプログラミングコーナーが用意されており、それぞれichigojamを使い、プログラミング言語「Basic」でプログラミングを行っていきます。

「ichigojam」のコースは、「音楽演奏」「LET」「7セグメントLED」「信号機」の全4種類。いずれも難易度は高めの上級コース。

キーボードを使い、自分で言語を打っていくため、難易度は高め。それだけにじっくりとプログラミングに取り組みたい子ども達にとっては、とても魅力的なようです。夏休みということもあり、比較的幼児や小学生など小さい子どもの姿が目立ちましたが、ここだけは中学生から大人までが挑戦し、年齢層が高いコーナーになっていました。

プログラミング教材の選び方は?

プログラミング教材は決して安くない上に、なかなか実際に触って試す機会が少ないため、いざ買おうと思ってもどれを購入してよいものか迷ってしまう保護者の方も多いでしょう。ここで様々な教材を子どもと試してみて、子どもの反応、そして使い勝手、見込めそうな効果などをじっくり吟味してみるのもよいかもしれません。

この時大事なのが、「親が使わせたい」ことを優先させすぎないことだと思います。子どもは自分の関心がないものには、あまり見向きもしません。もし興味のないプログラミング教材を無理やりやらされることになったら、それこそプログラミング自体が嫌いにってしまうかもしれないので、注意が必要です。

子どもが長時間さわっていたり、何度も挑戦したりしている教材をチェック。

「TEPIA 先端技術館」は無料なうえ、たっぷり遊べるのに、穴場的なスポットとなっており、夏休み期間でも比較的すいているのがうれしいところ。「プログラミング体験エリア」以外にも、現代社会の抱える問題をテクノロジーで解決するというテーマなど、興味深い展示があります。

「テクノロジーショーケース」のコーナーで体験できる、写真を漫画に取り込む「マンガジェネレーター・カイ」。できあがった漫画は、プリントアウトして持ち帰ることができます。

夏休みイベントが終わった後も、通年で開催していますので、プログラミング教育に触れてみたいという方はもちろん、色々なプログラミングを体験してみたいというご家族にもおすすめです。

「TEPIA 先端技術館」
住所 東京都港区北青山2-8-44
開館時間 10:00~18:00(土・日・祝日は10:00~17:00)
休館日 月曜日 ※祝日の場合は開館、翌平日休館
URL https://www.tepia.jp/

相川いずみ