第3回目となるこどものミカタ特集。今回は、3歳から12歳までのこどもを対象に、マンツーマンでこどもオリジナルの料理を作る自宅訪問型幼児教室「ハクシノレシピ」考案者で株式会社Hacksii代表取締役CEOの高橋未来さんをご紹介します。
「ハクシノレシピ」で対象としているのは3歳〜12歳のこども達で、特に多いのは小学校に上がる前の3歳〜6歳のこども達です。
講師となる“エプロン先生”が自宅に伺うマンツーマンスタイルで、特徴的なのはレシピが無いという事です。
レッスンでは、まず、こども達に自由に食材を選んでもらいます。次に、レポートを使い、選んだ食材を主菜・副菜・汁物という風に分けて、何を作るかの作戦会議をします。料理の完成形をイラストにアウトプットしたら実際に調理していくのですが、レシピが無いので全てこども達の判断で作っていきます。
この時、エプロン先生はあくまでサポートに徹し、失敗しそうなチャレンジも「いいね!」と受け入れ、チャレンジを後押しします。途中、味見しながら、どうしたら改善出来るか?というのも全てこども達自身に考えてもらう様にしています。そして最後に、出来上がった料理にはオリジナルの料理名を付けて発表してもらい、その様子を動画で撮影して終了です。
レッスン後には、毎回エプロン先生からLINEでコメントを送り、次回に向けての取り組みなど、一人一人に合わせた提案や子育てカウンセリングも行なっています。
料金は、初回の体験レッスンが3,980円です。その後も継続してご利用になりたい場合は、月1回〜4回の定期コースがありますが、月1回ですと習慣化させるのは難しいので、月2回利用の子が多いです。中には月4回のコースの子もいます。
幼児教室での講師時代、こども達に意見を聞いた時、誰も答えようとしなかった事がありました。なぜ答えないのかを聞いてみると「間違えたくない」と失敗を恐れている様でした。
その時、成長していくにつれてこども達が枠に囚われていってしまっているという課題を感じ、“失敗しても良いんだよ”という事を伝えたい!自分の発想を大事にして欲しい!と思ったからです。
料理は、学校のテストと違って正解もありませんし、完全オリジナルなので思考力や想像力を育むのにも良く、思ってもみなかった偶然の産物が出来ることもあります。それはこどもにとって良質な経験だと思います。
元々は忙しいママやパパの為の代行サービスの様な形だったのですが、「もっとこどもにフォーカスした方が良いのでは?」など、5〜10回以上、何度もアイディアを練り直し、仮説検証を繰り返して今の形になりました。
また、「ハクシ」には“白紙”と“博士”という意味があるのですが、実は、「レシピ」には“秘訣”という意味もあるんです。
子ども達がこれから正解のない未来を切り拓いていく中で、人生の秘訣を自ら生み出して欲しい。という思いも込められているんです。
ご自身の子育てに不安がある方が多い様に思います。自分なりにこどもに一生懸命向き合っているが故に、「これで良いのかな?」と不安になってしまい、つい、「あれダメ、これダメ」と言ってしまう事に悩んでいたりします。でも、エプロン先生は、むしろ「それ良いね」と、親とはまた違う関わり方で“こどもに自分で考える力と自信を与えてくれる”という所に価値を持ってもらえていると思います。
この子に限らずなのですが、出来上がった料理にこども達が自分で名前をつけて発表する時、最初はもじもじしたり意見を言うのをためらっていた子が、3ヶ月後にはハキハキと自信を持って自分のオリジナル料理の紹介をしていました。声の大きさから話し方まで、まるで別人なんです。(その変化が分かる動画は「ハクシノレシピ」HPよりご覧頂けます。→https://hakushi-no-recipe.com/)
まずはリアルなコミュニティを作りたいです。オフィス兼コミュニティスペースの様な複合スペースで、キッチンでは料理のグループレッスンをしてる人がいたり、このスペースに立ち寄るママ同士のコミュニティが出来たり。
また、現在、個人宅以外にも、学童と組んでイベント的に「ハクシノレシピ」を開催しています。今後はさらに学校、保育園などにも広げていきたいですし、より多くの家庭に広げていける枠組みを作っていきたいと思っています。
ママやパパは一生懸命になればなるほど悩み・不安が増えていくと思います。一人で抱え込まずに人に頼って、自分自身が正解に囚われずに楽しんで子育てをしていってほしいと思います。
失敗を恐れるとチャレンジも出来ず、こども達の無限の可能性も狭まっていってしまいますよね。「ハクシノレシピ」なら、どんなこども達も“失敗を恐れないという成功体験”によって自信が持てる様になるでしょうし、自信に満ち溢れたこどもの笑顔はママやパパの日頃の疲れも吹き飛ばしてくれるのではないでしょうか?
正解のない「ハクシノレシピ」たくさんのこども達が体験できることを願っています。