
「人手不足のため、営業時間を短縮します」「運転手不足により、このバス路線は廃止となります」――。
街を歩けば、こんな貼り紙を目にすることが増えました。私たちの暮らしを支える様々なサービスが、今、「働く人」が足りないという深刻な問題に直面しています。
これは、今の大人たちだけの問題ではありません。この社会を受け継いでいく、こどもたちの未来に直結する大きな課題です。
そんな中、「労働力不足問題解決のリーディングカンパニー」を掲げる株式会社うるるが、未来を切り拓くアイデアを発掘するビジネスコンテスト(第2回 ULURU BUSINESS CONTEST)を開催しました。
そこでは、社会の「困った」を「ありがとう」に変える、希望に満ちた挑戦が繰り広げられていました。この記事は、単なるイベントレポートではありません。このコンテストから見えた「未来の働き方のヒント」と、私たち親がこどもに伝えていきたい「大切なこと」を、一緒に考えていきたいと思います。

今回のコンテストで、最も優れたアイデアに贈られる最優秀賞に輝いたのは、COSOJI株式会社が提供する不動産管理のサービス「COSOJI」でした。
私たちが住むマンションの共用廊下や階段の清掃、ゴミ置き場の整理、敷地内の草むしり。これらは快適な暮らしに欠かせない業務ですが、担い手不足が特に深刻な分野の一つです。
「COSOJI」は、この課題を驚くほどシンプルで温かいアイデアで解決します。それは、こうした「ちょっとしたお仕事」を、地域に住む「少しだけ働きたい」と思っている元気な高齢者の方や、子育て中の主婦(夫)の方々に、スマートフォンを通じてお願いするという仕組みです。
【こどもたちへの学び1:多世代共生のリアル】
このサービスが社会に浸透すれば、こどもたちは「おじいちゃん、おばあちゃんは家で休んでいる人」ではなく、「自分たちの住む街を綺麗にしてくれる、頼もしい存在」として認識するようになるでしょう。挨拶を交わし、「いつもありがとう」と感謝を伝える。そんな日常のコミュニケーションを通じて、世代を超えて支え合う地域コミュニティの大切さを、机上の空論ではなく、肌で感じることができます。
【こどもたちへの学び2:働き方の多様性】
「働く」とは、毎日スーツを着て満員電車に乗り、会社に行くことだけではありません。「COSOJI」が示すのは、自分の体力や空いている時間に合わせて、得意なことで地域に貢献し、対価を得るという新しい働き方の姿です。これは、こどもたちが将来のキャリアを考える上で、「自分らしい働き方」をデザインするための、素晴らしいヒントになるはずです。

優秀賞に選ばれたのは、株式会社ZIFISHによる「AIとITの力で水産業の生産性を最大化する」というプランです。
日本の食文化を代表する、新鮮でおいしい魚。しかし、その背景にある漁業は、担い手の高齢化と後継者不足という大きな課題を抱えています。「100年先の食卓にもおいしい地魚が届く世界」を実現するため、ZIFISHは最新テクノロジーでこの問題に挑みます。
【こどもたちへの学び1:食育と一次産業への敬意】
スーパーに当たり前のように並んでいる魚の切り身。その一切れが、どんな人々の苦労と努力によって私たちの元に届いているのか。このビジネスプランは、そうした食の裏側にある物語を想像させ、一次産業への敬意を育むきっかけを与えてくれます。「いただきます」という言葉の重みを、より深く理解できるようになるかもしれません。
【こどもたちへの学び2:社会を良くするためのAI】
「AI」や「IT」と聞くと、ゲームや動画アプリなど、エンターテインメントを思い浮かべるこどもたちも多いでしょう。しかし、ZIFISHの挑戦は、テクノロジーが人々の暮らしを支え、社会の難しい課題を解決するために使われる、力強い実例です。こどもたちがプログラミングや科学技術に興味を持つ上で、「誰かを助けたい」「社会を良くしたい」という温かい動機付けとなり得ます。
このコンテストでは他にも、増え続ける「男性の育児休暇」を社会の新たな労働力として活かすアイデア(illumista株式会社)や、私たちの健康を守る「健康診断」の煩雑な手続きを効率化するサービス(ALTURA X株式会社)など、未来を明るくするプランが数多く発表されました。

主催したうるるの取締役、近藤氏は「既成概念にとらわれず、実装・実現までを本気で見据える力強さが感じられた」と語ります。
社会が抱える問題に対し、「どうせ変わらない」と評論家になるのではなく、「自分ならこう解決する」と当事者として立ち向かう。その真摯で情熱的な大人の姿こそ、変化の激しい時代を生きるこどもたちにとって、最高のキャリア教育であり、未来への希望そのものです。
私たち親にできることは、こうした挑戦にアンテナを張り、その物語をこどもたちに語り聞かせることなのかもしれません。未来を創るのは、いつだって挑戦者の熱い想いなのだから。
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